シェア10% なぜ日本で「iPhone SE」がここまで人気なのか?:房野麻子の「モバイルチェック」(3/3 ページ)
iPhoneの廉価モデル「iPhone SE」の第3世代モデルが、3月9日に発表された。日本のスマートフォンユーザーの約半分がiPhoneを使っているといわれるが、その中の2割に近いユーザーがiPhone SEを使っており、人気の高さがうかがえる。では、なぜ日本でこれほどiPhone SEが人気なのだろうか。
コロナ禍の影響で指紋認証を求める?
iPhone SEはディスプレイ下部のホームボタンが指紋センサーを兼ねており、指紋認証の「Touch ID」で各種認証や画面ロック解除ができる。コロナ禍でマスクを装着することになって、顔認証の「Face ID」は使い勝手が悪くなり、Touch IDに対応したiPhone SEに支持が集まったとされた。実際、中古端末市場でも、Touch IDに対応したiPhone 7シリーズ、8シリーズ、iPhone SEが販売ランキングの上位を占めている。
ただ、中古携帯電話を中心としたデバイスの売買、レンタルを個人・法人に展開するニューズドテック(旧:携帯市場) マーケティング部部長の冨永潤一氏は、指紋センサーの有無は「(人気の)要因としては小さい」と見ている。
中古でもiPhone 7/8やiPhone SEの人気が高いのは、安さに加え、「最新OSにアップデートできること」が大きな要因と冨永氏は分析している。また、「iPhone 13シリーズだと重く、補償負担が大きい」として、価格が安く、適度な機能を備えているiPhone SEなどは法人でも非常に人気だという。
ただ、中古市場でも「基本的にユーザーは新しい端末を求めている」(冨永氏)。「iPhone XR」が売れ筋ランキングに入り始めており、「iPhone X」「iPhone 11」などは値ごろ感が出てくるとのことで、今後はFace ID対応端末もランキング上位に入ってくるだろう。
間もなく配信が始まるiOS 15.4は、マスクを着けたままFace IDが使えるようになる。iPhone SE(第3世代)は当然、販売台数を高く積み上げるだろうが、Face IDに対応した型落ちのiPhone 12シリーズも、割引の効果で春商戦の売れ筋モデルとなりそうだ。
筆者プロフィール:房野麻子
大学卒業後、新卒で某百貨店に就職。その後、出版社に転職。男性向けモノ情報誌、携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年にフリーランスライターとして独立。モバイル業界を中心に取材し、『ITmedia Mobile』などのWeb媒体や雑誌で執筆活動を行っている。最近は『ITmedia ビジネスオンライン』にて人事・総務系ジャンルにもチャレンジしている。
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