営業時間を短縮しても、なぜ丸亀製麺のワイキキ店は全店1位なのか:週末に「へえ」な話(4/4 ページ)
丸亀製麺ワイキキ店の売り上げが好調である。2011年にオープンしてから、全店で1位をキープ。コロナ禍にもかかわらず、21年12月には過去最高の売り上げをたたき出した。なぜワイキキ店は人気を集めているのだろうか、その秘密に迫ってみた。
“のびにのびている”のかも
ワイキキ店など海外店舗が好調なことを受け、丸亀製麺はソトにソトに目を向けている。現在、海外で220店舗を展開しているが、昨年ロンドンに出店したことは注目を集めた。ロンドンの物価は高い。現地の日本食レストランのかけうどんは、7ポンド(1060円)ほどなのに、ロンドン1号店は4.45ポンド(680円)。
当時、「そんな安い価格でやっていけるのか」といった声が出ていたが、回転率を上げて売り上げを伸ばしているそうだ。2号店をオープンしたところ、90分待ちのこともあったとか。
丸亀製麺をはじめトリドールが海外で展開する店舗は625店(21年9月末)。もちろん、この数はまだまだ序の口のようで、27年度には6倍以上の4000店に増やす予定である。まだ出店していない国や地域をどう攻めていくのかといった点も気になるところだが、筆者は取材時に石原さんがつぶやいた言葉が気になっている。
「現在、ハワイにはワイキキ店とホノルル店しかないですが、3店舗目にかかわりたいですね」と。繰り返しになるが、丸亀製麺全店の中で、ワイキキ店の売り上げは最も高い。行列ができることも珍しくないのであれば、店舗数をどんどん増やしていけばいいのではないかと思うが、現状2店舗にとどまっている。
米国本土への出店(8店)にチカラを入れるために、社内リソースを注力していたそうだが、機は熟に熟しているのではないだろうか。うどんに例えると、“のびにのびている”のかもしれない。
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