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営業時間を短縮しても、なぜ丸亀製麺のワイキキ店は全店1位なのか週末に「へえ」な話(3/4 ページ)

丸亀製麺ワイキキ店の売り上げが好調である。2011年にオープンしてから、全店で1位をキープ。コロナ禍にもかかわらず、21年12月には過去最高の売り上げをたたき出した。なぜワイキキ店は人気を集めているのだろうか、その秘密に迫ってみた。

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天ぷらが人気

 ワイキキ店の特徴のひとつに、トッピングを注文する人が多いことが挙げられる。釜玉うどんのほかに、かしわ天と野菜かき揚げを注文するといった話ではない。「1人で5個ほど注文するケースも珍しくありません。ワイキキ店では天ぷらを12〜13種扱っているのですが、1人で全品食べる人もいました」(石原さん)。うどんを頼まず、注文するのは天ぷらだけ。2年前までケチャップを置いていて、天ぷらにかけて食べる人もいたそうで。

 ここで気になったことがひとつある。ハワイにはレストランがたくさんある。ステーキもあれば、シーフードもあるし、パンケーキもあるし、ロコモコもあるし、アサイーボウルもある。ただし、価格が高い。ちょっとしたホテルで朝食を注文すると、3000円を超え、ランチは5000円ほど。マクドナルドのビッグマックセットは日本だと690円だが、ハワイでは1050円ほど。

 では、丸亀製麺の価格はどうなっているのだろうか。日本でかけうどんを注文すると、340円(並)だが、ワイキキ店では4ドル75セント(税別)なので、日本円にして550円ほど。


ワイキキ店の「かけうどん」

 丸亀製麺のワイキキ店が人気を集めている理由のひとつに、「手ごろな価格」があると思っている。現地のレストランで食事をすると、高い。2000円を超えることも珍しくないのに、ワイキキ店でかけうどんと天ぷらを注文しても1000円ほどで楽しむことができるのだ。しかも、チップは不要である。

 さて、勘のスルドイ読者であればピンときただろう。店の売り上げは「客数×客単価」で計算することができる。売り上げを伸ばすためには「客数を増やす」か「客単価を上げる」ことが必要なわけだが、ワイキキ店の客単価は日本の平均に比べて、2.5倍ほど。「日本に比べて価格が高い×天ぷらの注文数が多い=客単価を押し上げている」と言えそうだ。


ワイキキ店の「釜揚げ」

 では、客数はどうだろうか。日本でいう「食べログ」のような、口コミサイト「Yelp(イェルプ)」を見ると、高評価が並んでいる。ということもあって、「イェルプを見て、やって来た」という観光客も多く、店に行列ができることも珍しくないのだ。

 ふむふむ。売り上げが高いことは理解できたが、「2021年12月に過去最高を更新した」という意味は、どのように説明できるのだろうか。しかも、営業時間を短縮したのにも、かかわらずである。石原さんに尋ねたところ「新型コロナの感染が広がって、デリバリーを始めました。また、密を避けるために、外に座席を増やしました(+12席)。結果、客数が増えたこともあって、売り上げが過去最高になりました」

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