京都銀行など地銀がチャットボット向けFAQをAIで共有化 6行がタッグを組んだ理由(1/2 ページ)
京都銀行や十六銀行など地銀6行が、社内外向けのFAQデータを共有化する。AIを使ったチャットボットでFAQを活用することで、業務の効率化を図る。複数行のFAQデータから、地銀の汎用的なFAQをAI技術を用いて作り上げるのは、AIチャットボットサービスなどを提供するPKSHAだ。
京都銀行や十六銀行など地銀6行が、社内外向けのFAQデータを共有化する。AIを使ったチャットボットでFAQを活用することで、業務の効率化を図る。
複数行のFAQデータから、地銀の汎用的なFAQをAI技術を用いて作り上げるのは、AIチャットボットサービスなどを提供するPKSHAだ。地銀は規制業種ということもあり、よく似たサービス、商品が多く、法令対応も共通だ。これまで各社が独自に用意していたFAQを共通化できれば、業界全体の効率アップにもつながる。
チャットボット成功のカギはFAQにあり
コロナ禍に入り、企業のチャットボット導入が加速した。しかし有意義なチャットボットになるかどうかは、チャットボット自体の性能もさることながら、受け答えの元になるFAQにある。
顧客や支店からの電話問い合わせ負荷が増したことへの対策として、AIチャットボットやAI電話応答などを導入したものの、「精度が悪いから置き換えたい」という依頼がPKSHAにはたびたび入るという。その課題の根幹はFAQにある。各社から、「FAQの初期構築をなんとかしてほしい」という声がPKSHAにはたびたび寄せられていた。
PKSHAのAIチャットボット「BEDORE(ベドア)」を大規模に導入していた京都銀行でもFAQの初期構築が進められていた。そんな中、京都銀行から「業界共通の課題だから、コンソーシアム型の形で、いろんな地銀に参加していただいて解決していこうという」と提案があったのだ。
もともと地銀の間では、基幹システムである勘定系を共同利用するといった共有の素地があった。「銀行同士は営業の現場では競合だが、システムは後方事務では協業して、お客さまによいサービスを提供していきたい」と京都銀行の幡宏幸常務取締役は話す。
こうした声に乗ったのが、三十三銀行、静岡銀行、十六銀行、名古屋銀行、肥後銀行の5行だった。
6行から提供を受けたFAQを、PKSHAがAIで解析し、固有情報を省き共通情報を洗い出していく。行内で使うFAQと行外の顧客に提供するFAQとで、ボリュームは半々くらい。総数は数千個クラスにのぼる。
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