キリンビールの「本麒麟」が好調 敏腕マーケターに聞く「売れ続ける理由」:酒税改正を見据えて(2/5 ページ)
キリンビールのビール類の販売量が減っている中、気を吐いているのが新ジャンル(第3のビール)の「本麒麟」だ。マーケティング本部の松村孝弘ブランドマネージャーに開発コンセプトを聞いた。
キリンラガービールと同じホップで「本気度」示す
2021年のビール類の販売実績は、キリンビールが2年連続で首位に立ち、2位がアサヒビールだったようだ。国税庁が発表した21年3月の「酒のしおり」によると、酒類課税移出数量は1999年の1017万キロリットルをピークに徐々に減少。2019年には865万キロリットルにまで落ち込んだ。
その中でビールの割合は1999年時点では半分以上を占めていた。だが2019年には3割に満たないことから、ビールの販売実績の落ち込みは非常に大きいといえる。
市場調査会社インテージが21年7月に発表した調査「−With Corona−‘新しい日常’へ兆し」では、「新型コロナウイルスの影響を受けて、以前よりも価格が安いものを選ぶようになったり、費用を抑えめにしているもの」との問いに「ビール、発泡酒・第3のビール」と回答した人は20年12月には6.6%だった。その後21年6月には7.3%と、ビール類の購入を控える人が増えている。
21年は酒税改正で売り上げの減少があったものの、18年の発売以来、本麒麟の売り上げは基本的に右上がりだ。22年は前年比13%増の2070万ケース(26万2000キロリットル)の販売目標を立てている。ただし、ビール類はたくさんの種類があり、人によってはほとんど味が変わらないと思っている層も存在する。
ここで重要になるのが他社製品との差別化だ。松村ブランドマネージャーに今回のタレント起用の理由を問うと「本麒麟はいろいろな方に飲んでいただいているので、國村さん、高畑さん、滝藤さんという幅広い年代の方に登場いただきました。特に20年からタモリさんを起用している理由は、舌の肥えた、味をよくご理解いただいている方だからです」と説得力を持つブランドを目指しているとした。
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