「イケアのサメ」に「ニトリのネコ」家具大手ぬいぐるみ なぜ人気?:企業のビジョン表す(2/3 ページ)
「イケアのサメ」に「ニトリのネコ」――。大手家具メーカーの”看板商品”とも言えるぬいぐるみの人気のわけを探る。
海外で擬人化が流行 日本にも伝わる
ふわふわの肌触り、抱き枕に最適な大きさ、愛嬌ある表情――。人気を呼ぶ特徴はたくさん挙げられるが、担当者によると、もともと、海外で購入客がブローハイを擬人化してSNSに投稿したのが流行の始まりだという。
料理が並んだダイニングテーブルに腰を下ろす姿や、旅先で列車の窓外を眺める姿など、人間のように日常に溶け込んだ様子が大きな反響を呼び、流行は次第に日本へも波及。現在も同社の予想を大きく上回る売れ行きが続いているという。
「遊びこそ未来」――イケアがおもちゃを扱う理由
「より快適な毎日を、より多くの方々に」
このビジョンを実現するために、暮らしに関連する商品を常時9500点以上取り扱っているというイケア。ぬいぐるみだけでも50種類以上の品ぞろえだというが、なぜ家具大手イケアは、ぬいぐるみなど子ども向け商品にここまで注力するのか。担当者は話す。
「イケアにとって、子どもたちは世界でいちばん大切な存在です。子どもが子どもらしく生きることができるよう遊びと成長の権利を全力で支援しています」
「遊びから子どもたちが、急速に変化する複雑な世界、環境、社会をうまく乗り切り、強く生きていくためのスキルを習得できると信じており、遊びこそが未来だと思っています。そのため、子ども向けのおもちゃや商品をイケアでは数多く開発・販売しています」
やはり、スウェーデン発祥の世界的家具メーカーらしい、自由な気風と強い意志を感じさせる。
なお、ぬいぐるみだからといって子ども向けに限定しているわけではない。「18カ月(1歳半)以上であれば、どなたでも家での暮らしの遊び相手として、利用いただけます」と担当者は話す。
ブローハイを擬人化してSNSに投稿するという購入者の”遊び心”は、「遊びこそが未来」と言い切るイケアの価値観に通じるものがある。遊び心を自ずと喚起させるところに、世界的家具メーカーイケアの強みを感じさせる。
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