旅行会社は苦戦しているのに、なぜ一休の取扱高は「微増」だったのか:週末に「へえ」な話(1/5 ページ)
新型コロナの影響を受けて、旅行会社は軒並みダメージを受けている。そんな中で、宿泊施設の予約サイトを運営する「一休」の取扱高を見ると、少し伸びているのだ。旅行をする人が大幅に減少したのに、なぜ同社は伸ばすことができたのか。その秘密に迫ってみると、「猫パンチ」がでてきて……。
「激減である」――。
新型コロナの感染が広がって、会社員の出張はなくなり、修学旅行も中止になったり、個人旅行の予定もキャンセルしたり。リアルの店舗を持つ旅行会社は大きなダメージを負ったわけだが、ネット上だけで取引を行うOTAも例外ではない。航空会社も鉄道会社も宿泊施設も、みーんなまだまだ大変である。
筆者は剛腕投資家ではないので、「それでも利益を出すのが、おめえたちの仕事だろ」という気はさらさらない。緊急事態宣言が発出されて、「外出を控えよ」「旅行なんて敵だ」なーんて空気が広がっていたので、業績の低迷は避けられなかった。仕方がない話である。そんな状況の中で、宿泊施設の予約サイトを運営する「一休」(東京都港区)の取扱高を見ると、ちょっと違っていた。
「『ちょっと違っていた』と言っても、競合他社の売り上げは8〜9割減だったぜ。一休はリアルの店舗を持たないので、3〜4割減くらいかな」と思われたかもしれないが、その指摘は違う。2020年度の数字を見ると、対前年度比で「微増」(詳細は非公開)だったのだ。
このように書くと、「はいはい。コロナ前から業績が低迷していたので、それほど影響しなかったのでしょ。Go To トラベルもあったし、そのタイミングでちょこっともうけて、結果的に『微増』になったのでは」と想像されたかもしれないが、それも違う。
一休の取扱高を見ると、11年度あたりからぐぐっと伸びていて、その後は右肩上がり。16年度にはヤフーの子会社になったこともあって、前年度から45%も伸びている。つまり、10年ほど過去最高を更新していて、コロナという大逆風が吹き荒れている中でも「微増」だったのだ。
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