ホテルのアメニティーはなくなるの? 4月のプラスチック資源循環法施行にむけた各社の取り組み:アパ、東横イン、帝国ホテルに聞いた(1/2 ページ)
4月1日にプラスチック資源循環法が施行される。ホテル業界各社はアメニティーを廃止・有料化するのか。アパ・東横イン・帝国ホテルに取材した。
4月1日に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」(以下、プラスチック資源循環法)が施行される。2030年までに使い捨てプラを累積で25%排出抑制することを目指し、「環境配慮型素材の活用」「使い捨てプラの削減」「分別回収の強化」などさまざまな取り組みを強化する。
対象製品はコンビニなどで配られるプラ製フォーク・スプーンや飲料用ストロー、宿泊施設のアメニティーに含まれる歯ブラシやカミソリ、ヘアブラシなど。ホテル業界がプラスチック資源循環法施行に向けて、どのように脱プラに取り組むのか、各社の取り組みを聞いた。
アパホテルなどを展開するアパグループは、特定のプラ製品にバイオマスなどの再生プラスチックを使用した環境配慮型を導入している。同時にアメニティーそのものの質を高めることで、宿泊客の"使い捨て意識"を"持ち帰り意識"に促すことを目指しているという。
アメニティーの有料化・廃止の可能性について「現状は予定していない」という。担当者は「海外では多くのホテルがアメニティーを客室に設置せず、必要に応じて購入するシステムを導入している。しかし日本宿泊業界での常識では、ホテルでは歯ブラシなどのアメニティーはあって当たり前であり、無ければサービスが悪いというレッテルを張られてしまう。究極の環境対策はホテルアメニティーの全廃であり、宿泊客に持参いただくのが理想」とコメントした。
4月からは宿泊者が2泊目以降アメニティーを使用せず、客室清掃も行わない「エコ連泊清掃プラン」を導入する。ホテルとしてはその対価をポイントで還元する。1月からトライアル導入をしており、利用率は連泊予約者の約20%だったという。
関連記事
- ローソン、穴開きスプーンとフォークを導入 プラ削減の一環
ローソンが穴開きスプーンとフォークの導入を発表。プラスチック資源循環促進法の施行に合わせて導入開始する。木製スプーンの導入も選択制に。 - セブン、新型のスプーンとフォークを導入 脱プラを推進
コンビニ業界の脱プラスチックの動きは加速している。セブンは植物由来素材を30%配合したスプーン、フォークを導入する。プラスチック資源循環促進法への対応策だという。 - ファミマ、プラ製フォークやスプーンの配布を休止する実証実験を開始
ファミマはプラ製フォークやスプーンの配布を休止する実証実験を実施する。プラスチック削減に向けた取り組みの一環。プラ製のフォークやスプーンの配布を休止し、竹製のマイカトラリーセットを販売する。 - グリコ、学校給食用牛乳のストローを廃止 ストローなしでも飲みやすい新パックを採用
江崎グリコは学校給食用牛乳のストローを廃止する。開口部が開けやすい紙パックを採用し、ストローなしでも飲みやすくした。二酸化炭素の排出量削減が目的。 - 貝印、「紙かみそり」をローソンで販売開始 脱プラ仕様
貝印は全国のローソン店舗で「紙カミソリ」を販売する。ハンドルに紙、刃体に金属を使用した脱プラスチック仕様。使い切りタイプで衛生面も考慮した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.