キッコーマン「密封ボトル」しょうゆ、使い切る裏ワザとは 「ピー」の音に隠された”企業努力”に迫る:しょうゆ市場の救世主(1/3 ページ)
キッコーマンのしょうゆ「いつでも新鮮」シリーズ。残り少なくなったしょうゆをボトルから絞り出すことができず、泣く泣く捨てるという利用者の声がSNSで話題に。どうすれば使い切れるのか。
大手食品メーカー、キッコーマンのトップブランドといえば、しょうゆの「いつでも新鮮」シリーズだ。しぼりたての鮮度を保つ「密封ボトル」に入ったしょうゆは、2011年の発売から10年を超え、食卓の定番となっている。そんな中、最近SNSで話題になったのが、残り少なくなったしょうゆをボトルから絞り出すことができず、泣く泣く捨てるという利用者の声だ。はさみでボトルを切って出すという声もあるが、どうするのが正解なのだろうか。担当者に尋ねると、とても簡単に使い切れる方法が分かった。
「気合いを入れて絞らないと最後まで使い切れない」「残った少量が透けて見えるのが悔しさに拍車をかける」――。
Twitterには、密封ボトル入りしょうゆを愛用する利用者たちの切実な声と、それに共感するリプライ(返信)が多く投稿されていた。同じ思いを抱いていた利用者が多数いるようだ。まず、この密封ボトルの仕組みから見ていきたい。
空気に触れない「二重構造」ボトル
密封ボトルは、外側のボトルと内側の袋の二重構造でできている。しょうゆが入った内側の袋に空気が入らないよう「ダブル逆止弁キャップ」を採用。ボトルを押してしょうゆを出せば、内側の袋だけが小さく変形していく仕組みだ。この仕組みのおかげで、開栓後も常温保存で90日間、鮮度を維持することができる。
確かに、内側の袋だけが小さくなっていくと、しょうゆがわずかに残るのも仕方がない気がする。同社コーポレートコミュニケーション部の伊東宏さんに、利用者の声を伝えた。
「基本的には、ボトルを押すことで使い切れる設計になっていますが、液量が少なくなると、押し出すのに強い力が必要というご意見をいただくこともあります」
やはり同様の意見は、これまで同社にも寄せられていたという。何かうってつけの方法はあるのだろうか。
「液量が少なくなり押し出すことが難しい場合は、キャップを通常とは反対の時計回りに回して外すと、残りのしょうゆを使い切ることができます」
なるほど、キャップ自体が外せる作りになっているのだ。これならボトルの底に残った少量も簡単に出すことができる。本来は、ごみの分別や容器の洗浄を目的にキャップを外せる設計にしているといい、商品にも「キャップの外し方」はイラスト付きで明記している。
伊東さんは「ハサミやカッターでボトルを切るという投稿もありましたが、危険なので避けてください」と強調する。
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