290円ラーメンに250円定食 びっくりドンキー、幸楽苑、なか卯で進む「朝食革命」の正体:長浜淳之介のトレンドアンテナ(6/7 ページ)
朝食に力を入れる外食チェーンや飲食店の動きが目立ってきた。ハンバーグ専門店「びっくりドンキー」、タピオカや台湾料理の専門店「春水堂」などが参入している。どのような戦略を打ち出しているのか。
星付きレストランの挑戦
コロナ禍でたびたび発出された緊急事態やまん防は、ミシュランで星を獲得するほどのレストランをも赤字に追い込んでいる。一方、発想を転換して、夜に提供する料理を朝に持ってくる動きがある。
鳥羽周作シェフが率いる東京・代々木上原のフランス料理店「sio」では、「朝ディナー」なるコースを考案。21年1月における2回目の緊急事態宣言から投入し、断続的に開催している。朝に出掛けて昼からはゆっくりしたいという人、昼からは子守りをしないといけない主婦などの朝食ニーズがあることを鳥羽氏は発見。予約サイトをつくったところ、1カ月先まで埋まったという(現在「朝ディナー」は終了)。
もともと予約が取れないといわれるほど人気の「sio」。朝から6000円もする8品のコース料理を食べる人がいることを可視化した、非常に意義あるチャレンジだった。
お茶と料理の相性を楽しむ、ティーペアリングも実施。ハーブが香るティースパークリングで目覚めのお茶を飲んだ後に、鶏だしスープであたためるなどの演出も行った。
直近のまん防期間中には、フレンチのお店なのに、銀鮭をメインにした和定食を朝に提供して好評だった。
21年10月、sioは新店の「Hotel's」を東京・表参道にオープンした。ホテルのような上質な空間で朝昼晩と、異なるスペシャリテを提供するのがコンセプトだ。
朝食は、フレンチトースト、クロックムッシュ、キューバサンドなどといったものが提供され、価格は1500〜3000円前後。こちらは「朝ディナー」とは違って、軽食に寄せているが、朝からハレの食事がしたいというニーズが存在することを、改めて証明した。
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