旅行業、コロナ前から2兆円の売り上げ消失 6割以上の企業が最終赤字:東京商工リサーチ調べ
東京商工リサーチは、国内旅行業1110社の最新期決算調査を発表した。売上高合計は7241億5400万円となり、コロナ前の前々期と比較すると売上高は2兆円の消失となった。同社は長引く移動制限や外出自粛、インバウンド需要の消失などにより、売上減少から赤字経営に直面する旅行業者が増えていると分析する。
国内旅行業1110社の最新期決算(2021年1〜12月期)の売上高合計は前期比71.2%減となる7241億5400万円で、コロナ禍1年目の20年から7割減少したことが東京商工リサーチの調査で明らかとなった。コロナ前の前々期(19年1〜12月)からは73.8%の減収で、売上高は2兆円消失した。
最終損益が判明した587社のうち、65.4%となる384社が最終赤字に転落した。前々期に400億円以上の黒字を計上したJTBや、10億円以上の黒字を計上した阪急交通社、KNT-CTホールディングス子会社のクラブツーリズムなどの業界大手が軒並み赤字に転落するなど、大手企業ほど赤字幅が膨らむ傾向にある。
増減収別に見ると、最新期は971社(構成比87.4%)が減収となった。前期は1回目の緊急事態宣言発出でゴールデンウイークの観光シーズン需要が消失したが、7月に開始したGo To トラベルが寄与し、影響はインバウンド需要に限定され、前々期からの減収企業は745社(同67.1%)だった。最新期は「県民割」など近場でのレジャーを対象にした消費喚起策が実施されたものの、旅行自粛やコロナ禍で「近場外出」が定着したことで減収幅が大きく広がった。
従業員別では、従業員数5人未満が584社(構成比52.6%)と半数以上を占めた。次いで、5〜10人未満が256社(同23.0%)で、従業員10人未満が840社(同75.6%)と小・零細規模の事業者が8割近くを占めることが分かった。
同社は「現時点では緊急事態宣言やまん延防止等重点措置は行われない見通しであり、今月末からの大型連休は各地で人出の増加が予想される。しかし、GoToトラベルの再開は未定、インバウンド需要回復の見通しも立っておらず、旅行客消失による深刻な経営環境が続く」と予測している。
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