インタビュー
OMO7大阪が開業 星野リゾートが繰り広げる「あえての1ブランド」戦略:ホテルが都市を変える(5/6 ページ)
4月22日、総客室数436室という大規模なホテル「OMO7大阪 by 星野リゾート」が開業する。星野リゾートが繰り広げる「あえての1ブランド」戦略に迫った。
ホテルが街を変える OMO7大阪にかける思い
同社代表の星野佳路氏は、OMO7が大阪の新今宮という、観光・ラグジュアリーホテルとは縁のない地域に進出する点について「世界でも、ホテルが都市を変えた事例は多い。まずは街に訪れる、駅を降りるきっかけにホテルがなれば」と昨秋のメディア発表会で語った。
実際にJR新今宮駅のホームや電車からの景色は、駅前にOMO7大阪ができたことで一変し、開業時には、大阪をテーマにしたイベントも発表された。宿泊者向けだが、駅からもみえるガーデンエリア「みやぐりん」ではネオンアートの装飾が施され、ホテル外装膜には「PIKAPIKA ファイアワークス」として花火が打ちあがるとのこと。通勤通学で電車を利用する人の目にとまるのは必至で、今後の動きが注目される。
OMOが街を変えた例としては、方向性は異なるものの、旭川があるという。OMO7旭川では、「旭川、スキー都市宣言」を行い、スキー場の近くに泊まって楽しむ従来のスタイルではなく、都市に泊まって周辺のスキー場へ出掛ける楽しみ方を提案。一帯には7つの良質なスキー場があり、一部では送迎のサービスも行う。アフタースキーはコンパクトながら豊富な飲食店がある旭川の街をOMOレンジャーの案内で楽しめるようにした。
特にスキー上級者やプロが全国から集い、長期滞在者も増えたという。滞在が増えれば街が賑わい交流が生まれる。阿部氏は「いい循環になっている」と語った。
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