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東急ハンズ、カインズとの「シナジーよりも大切なもの」 カインズ土屋会長が明かす:長谷川秀樹の「IT酒場放浪記」 カインズ×東急ハンズの未来編(2/3 ページ)
東急ハンズCIO・メルカリCIOなどを務め、独立した長谷川秀樹氏が、IT改革者と語る「IT酒場放浪記」。今回のゲストは、3月末に東急ハンズを買収したカインズの、土屋裕雅会長。土屋会長が明かす、東急ハンズへの思いや、経営論とは──?
シナジーを出すことが目的ではない
長谷川: 「東急ハンズ」という屋号はどうするんですか? 「カインズとハンズで新たな造語ができるのでは」「カインズハンズか」など、ネット上でも注目が集まっています。
土屋: 当面は変えません。4月1日の段階では、変えないという結論に至りました。
長谷川: 屋号と、社名もですか?
土屋: はい。長年のファンの方がいらっしゃる。それが一番大事だと思います。また、働いてくださる方もいます。
長谷川: なるほど。つまり、「グループシナジーが第一義ではない」と。大切なのは、それぞれのお客さんにとって何が一番いいのか。「個々の良さを生かしてやっていこう」という考えが土屋さんの根底にあるんですね。
これは、東急ハンズの皆さんもめちゃくちゃ安心すると思います。買収される側はどうしても、「うちのやり方はこうだ」と押し付けられてしまうイメージがあるじゃないですか。東急ハンズを尊重してくれているのがすごく伝わってきます。
土屋: 実は僕ら、いわゆるM&Aは初めてなんです。おそらく東急不動産ホールディングスさんもこれだけのビッグネームを外に出すのは初めてではないでしょうか。
お互いに慣れていない中で、本質的な議論として、「長年のファンがいらっしゃる」という事実が一番大事なのかなと。今のところ、そういう話になっています。
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