東銀座の築地銀だこで「本気のデジタル化」をしたら、何が起きた?:配膳からBGM選定まで(1/3 ページ)
「ギンダコハイボール横丁 東銀座店」で、店舗のデジタル化が進んでいる。配膳からBGM選定までデジタル化した店舗とは? デジタル化で得られた思わぬ成果とは? 話を聞いた。
築地銀だこがプロデュースする「ギンダコハイボール横丁 東銀座店」で、店舗のデジタル化が進んでいる。
利用客が店内に入ると、まず入口天井のAIカメラが自動で客層を判断。年代や性別、来店時の季節などに合わせてBGMを流す。注文は、利用客がスマホでQRコードを読み取り、モバイルオーダーで行う。そして、注文した料理は配膳ロボットが席まで届ける。会計もクレジットカードやQRコード決済などのキャッシュレスに対応している。
デジタル化により、店舗運営は大きく変化した。配膳やオーダー、レジでの集計にかかる時間が短縮し、これまでホールには7人のスタッフが必要だったが、5人で運営できるようになった。人手不足が緩和され、忙しい時でも調理に集中できるようになった。
こうしたデジタル化は、東銀座店が開店当初から抱えていた課題に向き合った結果の選択だった。詳しい話を、同店の橋本雅之さん(オールウェイズ社スーパーバイザー)に聞いた。
東銀座は「人材採用が難しい」
ギンダコハイボール横丁 東銀座店は、2019年12月に開店した。当初は、歌舞伎座からほど近い立地を生かして、インバウンド需要を狙った店舗運営を計画していた。
店内は最大で90人ほどが利用でき、築地銀だこの他店舗と比べて広々としている。メニューのバリエーションも豊富に用意したため、運営には十分な店舗スタッフの確保が必要だ。しかし、ここに課題があった。東銀座という立地の関係もあり、人材採用が思うように進まなかったのだ。
橋本さんは「東銀座は住んでいる人が少ないので、人材採用にはかなり苦労しました。また、通常の銀だこよりメニュー数が多い“横丁”形式の店として、料理に力を入れたいという思いもありました。そのため、特にホールの省人化を進めたいと考えていました」
そんな中、20年には新型コロナウイルス感染拡大が始まった。インバウンドの消失、営業時間の短縮や、酒類の提供縮小といった混乱を経験した。利用客からは、非接触のサービスへの要望も寄せられた。
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