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上方修正からさらに上振れのマネフォ決算 SaaS ARRは40%増の129億円に(4/4 ページ)
再び事業成長にフォーカスし、いったんの黒字化を経て投資を再度強化したマネーフォワード。4月13日に発表した第1四半期(2021年12月−2022年2月)決算は、計画を大きく上振れした着地となった。
通期末、ARR40〜50%増見込む
第1四半期は売り上げが上振れ、コストが下振れし、利益は大きく上振れしたが、通期での見通しは変更しない。129億円のARRは通期末に157.2億〜168.4億円(対前年比40〜50%)を見込む。
通期の利益見込みは公開しないが、第2四半期についてはEBITDAで19億〜14億円の赤字を見込むとした。第1四半期並みとなる、16億〜18億円の広告宣伝費を投下する予定だ。
「早期のARR200億円を目指す」という目標に向けて、よいスタートを切った同社。さらなる成長への課題は、人材獲得だろう。「採用力が売り上げの伸びに直結してくる」と辻氏は話す。現在の採用ペースで進めば、従業員数は前年から約1.5倍に増加することになる。
このペースで人員規模が拡大すると、組織が崩壊する企業も多い。そのためマネーフォワードでは、ミッション、ビジョン、バリューを強く掲げ、企業文化の浸透に力を注いでいる。競合のクラウド会計企業freeeも強烈な企業カルチャーを持つことで知られる。急成長企業にとって、企業文化の明文化と浸透がいかに重要かが分かる。
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