2015年7月27日以前の記事
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九州と北海道 2つの高級クルーズ列車は、リピーターを獲得できるのか杉山淳一の「週刊鉄道経済」(8/10 ページ)

高級クルーズトレインの先駆者「ななつ星in九州」と北海道を巡る「THE ROYAL EXPRESS 〜HOKKAIDO CRUISE TRAIN〜」に新コースが設定された。どちらも国内観光需要の盛り上がりに向けた対応だ。しかし定員を減らして三密を避けつつ、運行とサービスを維持するには顧客単価を上げる必要がある。

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リピーター向け新コースは「大地への旅」

 「THE ROYAL EXPRESS 〜HOKKAIDO CRUISE TRAIN〜」の運行は今年で3回目だ。22年の運行回数は8月から9月にかけて、わずか8回。そのうち前半3回と後半5回のコースが異なる。列車に宿泊設備がないため、いずれも宿泊は高級旅館・リゾートホテルである。


8両編成から2/3/7号車を外した5両編成(出典:東急、THE ROYAL EXPRESS 北海道クルーズプランのご案内 電子版パンフレット

 後半3回のコースは昨年と同じ。札幌〜池田(ワイン城)〜(専用バス)〜十勝川温泉泊〜釧路〜川湯温泉〜知床斜里〜知床半島〜知床泊〜知床斜里〜北見〜(専用バス観光)〜遠軽〜旭川〜(専用バス)〜富良野泊〜旭川〜札幌。旅行代金は3名1室1名当たり72万円〜、1名1室100万5000円。

 前半3回は新コースで、一部が変更されている。札幌〜帯広〜十勝川温泉泊〜(専用バス観光)〜阿寒湖泊〜(専用バス)〜北見〜遠軽〜旭川〜(専用バス)〜富良野泊〜(専用バス観光)〜旭川〜札幌。旅行代金は3名1室1名当たり76万円〜、1名1室106万円。バスによる周遊観光が多めで、知床・釧路には立ち寄らず、内陸の上士幌地域を楽しむルートだ。

 これこそ「もういちど乗りたいけれど、2度目も同じルートでは面白くない」というリピーターを意識した内容である。ツアータイトルは「THE ROYAL EXPRESS 〜HOKKAIDO CRUISE LIMITED〜」だ。LIMITEDは限定版の意と思われるけれど鉄道であれば特急(LIMITED EXPRESS)を連想するから、「特別な」という意味も掛けているのだろう。


新たに設定された「HOKKAIDO CRUISE LIMITED」は2日目に内陸部を経由。鉄道ではアクセスできない宿泊施設とタイアップした(出典:東急、THE ROYAL EXPRESS 北海道クルーズプランのご案内 電子版パンフレット

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