メーカーモデル拡大の契機? サムスン国内初のSIMフリーGalaxyスマホ投入のワケ:房野麻子の「モバイルチェック」(2/3 ページ)
Sシリーズの性能はさすがの一言だが、今回、特に注目されているのはSIMフリーモデルのGalaxy M23 5Gだ。ディスプレイごと折りたためる「Galaxy Z Fold2」「Galaxy Z Flip」のThom Browne Editionなど、数量限定の特別モデルを除けば、Galaxy M23 5Gは国内で初のSIMフリーGalaxyスマホとなる。
国内初のSIMフリーGalaxyスマホ
Sシリーズの性能はさすがの一言だが、今回、特に注目されているのはSIMフリーモデルのGalaxy M23 5Gだ。ディスプレイごと折りたためる「Galaxy Z Fold2」「Galaxy Z Flip」のThom Browne Editionなど、数量限定の特別モデルを除けば、Galaxy M23 5Gは国内で初のSIMフリーGalaxyスマホとなる。
機能的にはミドルレンジだ。6.6型ディスプレイはTFT液晶で、CPUはクアルコムのSnapdragon 750G 5G。アウトカメラは広角、超広角、マクロの3眼で、5000mAhの大容量バッテリーを搭載する。価格はアマゾンで4万982円(4月中旬現在)となっており、程よいスペックの買いやすいSIMフリーモデルといえる。
ただ、2021年10月以降、キャリアから販売されるモデルも原則SIMフリーとなっている。では、メーカーが扱うSIMフリーモデル(メーカーモデル)のどこが異なるのかというと、Galaxy M23 5GではSIMカードスロットが2つあり、SIMカードを2枚同時に入れられる点だ(デュアルSIM)。例えば、データ通信と音声通話の待受で使うSIMカードを使い分けることもできる。キャリアモデルはデュアルSIMに対応していない。
また、メーカーモデルは対応周波数が幅広い。キャリア版のAndroid端末は、国内ではそのキャリアが利用している周波数にだけ対応というモデルが少なくないが、メーカーモデルはさまざまなキャリアのSIMカードを入れて使うことを想定し、国際的に主要な周波数に対応させている。デュアルSIMにしても幅広い対応周波数にしても、海外はもちろん、国内の複数キャリアで使う場合には外せない機能だ。ただし、例えばドコモの「n79(4.5GHz帯)」のように、世界的にあまり利用されていない周波数には対応しないことが多い。
| 通信方式 | 対応周波数 |
|---|---|
| 5G | N77、N78 |
| FDD-LTE | B1、B2、B3、B4、B5、B8、B12、B17、B18、B19、B26、B28 |
| TDD LTE | B38、B40、B41、B42 |
| 3G | B1、B2、B4、B5、B6、B8、B19 |
| 通信方式 | 対応周波数 |
|---|---|
| 5G | N78、N79、N257 |
| FDD-LTE | B1、B3、B21、B19、B28 |
| TDD LTE | B42 |
| 3G | B1 |
| 海外では、FDD-LTE:B1、B3、B4、B5、B7、B12、B13、B28。TDD-LTE:B38、B39、B40、B41。3G:B1、B5に対応 | |
また、海外メーカーモデルの場合は、おサイフケータイといった日本独特の機能も省かれる。防水機能も対応しない場合が多い。Galaxy M23 5Gも、どちらも対応していない。
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