なぜ「ゴロフキンvs村田諒太」は成立したのか アマゾンがPrime Videoに賭ける“ライバルとは異なる想い”:本田雅一の時事想々(5/5 ページ)
4月10日、ボクシングのビッグマッチ「ゴロフキンvs村田諒太戦」が、AmazonのPrime Video会員向けに追加料金なしでライブ配信された。こうした取り組みから読み取れるAmazonの、競合とは異なる戦略とは?
本格ドラマ、映画への挑戦
このように、顧客ニーズに正直な多様性が特徴のプライム・ビデオだが、イベントでは今後、日本制作の映画、ドラマの制作を強化していくことを明らかにした。
「モダンラブ・東京」は、ニューヨークタイムズの人気コラムをもとにしたオムニバスドラマシリーズ。読者が投稿する実話をもとにさまざまな制作陣がドラマを競作する。米国制作で人気作品となったシリーズだが、日本で日本のクリエイターと俳優が演じる東京版を制作し、海外での配信も行うという企画だ。
一方で「僕の愛しい妖怪ガールフレンド」という、完全オリジナルの日本企画ドラマも撮影される。“妖怪とオタク”といういかにも日本な要素を掛け合わせたバトル・ファンタジー・ラブロマンスというのだが、脚本家は米国人。日米合作でグローバルヒットを狙う。
さらには海外で亡くなった邦人遺体を家族のもとに送り届ける国際霊柩送還士という実在の職業をもとにした映画「エンジェルフライト」は、第10回開高健ノンフィクション賞を受賞した佐々涼子氏の作品を原作としたヒューマンドラマだ。
早川氏は「日本には数多くの“ストーリー”があります。各国のクリエイターからうらやましがられるほど、全国にいろんな物語があります。例えば万葉集に収録されている防人歌。大陸からの侵攻に備えて国を守る防人とその妻たちの歌をひもとくと、そこには深い物語が浮かび上がります。しかも多くは映像化されていない。現代的な解釈と撮影技術や企画で、そうした日本の物語をグローバルに発信していくことに取り組んでいきたい」と話す。
まだまだ未発表の企画が多いというプライム・ビデオ。投資規模は明らかにされていないが、ライブスポーツ中継に選んだ試合の規模や、制作発表された作品のキャスト、製作陣を見る限り大いに期待できそうだ。
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