コラム
事実婚の社員は「男性育休」を取得できる?:社労士・井口克己の労務Q&A(1/2 ページ)
当社の男性社員が「交際中のパートナーが妊娠した」と上司に打ち明けました。夫婦別姓のために事実婚を検討していると話したそうですが、事実婚のケースにおいても育児休業を取得し、各種公的補助を受けることはできるのでしょうか。
連載:社労士・井口克己の労務Q&A
労働法に詳しい株式会社Works Human Intelligenceの社労士・井口克己氏が、人事労務担当の素朴な疑問を解決します。
Q: 当社のある管理職から、「部下(男性)のパートナーが妊娠したようだが、どうしたらいいか判断がつかないので、人事部門で対応してほしい」と相談がありました。
事情を聞いてみると、部下から「交際中のパートナーが妊娠した。パートナーは夫婦別姓を望むため、事実婚を検討している。事実婚を選択することで子どもに不利益がないか悩んでいる。人生の先輩として相談に乗ってほしい。また、今後どうなるか分からないので、ある程度方向性が決まるまでは内密にしてほしい」と言われたとのことでした。
当社でも初めての事例です。このような状況でも、パートナーの妊娠の事実を会社が把握した以上、個別周知、意向確認をする必要はあるのでしょうか。また、事実婚の場合でも育児休業を取得し、各種公的補助を受けることはできるのでしょうか。
事実婚の場合も、会社は育休に関する対応を取るべき?
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