揺らぐ「新卒一括採用」 学生・企業はどう思っているのか(1/2 ページ)
日本企業では一般的に、卒業を控えた学生を限られた期間に大量採用する「新卒一括採用」が行われている。この手法はメリットも多い一方で、「転職市場の成長を抑制してしまう」「学生に過度なプレッシャーを与える」というデメリットも指摘されている。学生や企業は、どのように捉えているのだろうか。
卒業を控えた学生を限られた期間に大量採用する「新卒一括採用」は、欧米などでは見られない日本独自の採用システムだ。企業側のメリットとしては「優秀な人材を早期に囲い込める」、学生側のメリットとしては「経験・スキルを問われることなく就職できる」といったことが挙げられる。
しかしその一方で、新卒一括採用には「転職市場の成長を抑制してしまう」「学生に過度なプレッシャーを与える」というデメリットもあり、2021年12月には「日本経済団体連合会(経団連)が新卒一括採用の見直しを提案する方針である」とのニュースも流れた。
理系学生の考えは
新卒一括採用というシステムについて、学生たちはどう思っているのか。テックオーシャンが理系の学生を対象に実施したアンケート結果によれば、「採用方式が変わることに不安を感じる」という消極的肯定派が約3割。「一括採用を継続してほしい」という積極的肯定派(約2割)を合わせると、半数以上の学生が新卒一括採用の継続に肯定的であることが分かった。
この質問について男女間で大きく差が出たのは、「一括採用制度はなくてもいい」とした男子学生が26.2%いたのに対し、女子学生では18.9%にとどまったこと。逆に「分からない」と回答した男子学生が5.2%だったのに対し、女子学生では13.5%に上った。
この結果についてテックオーシャンでは、男子学生は個人の意見がはっきりしている一方で、女子学生は情勢を見つつ柔軟に対応しようとする傾向が見られると分析している。
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