格差が広がる日本 週休3日の“貴族”と、休みたくても休めない“労働者”:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(1/4 ページ)
「週休3日」に注目が集まっている。大企業が相次いでこうした先進的な制度を導入する陰で、休みたくても休めない労働者の存在が置き去りにされている。日本の働き方改革は、どこへ向かうのだろうか──。
「週休3日制」に、にわかに注目が集まっています。
1月には、パナソニック(旧松下電器)が、選択的週休3日制や転勤なしで自宅で勤務できる仕組みの導入方針を表明。副業や自己学習、地域ボランティアなど社外での活動を推奨する予定です。
同社は、日本の大企業で初めて完全週休2日制を導入した企業です。1965年に創業者の松下幸之助氏が、「1日は仕事の疲れを癒やすために休養に充て、あと1日は明日のために教養を高める」ことを目的に、米国では当たり前だった週休2日制を実現しました。選択的週休3日への取り組みは「原点に戻ろう!」ということなのでしょう。
また、日立製作所では、月の総労働時間を確保すれば、非就業日を設けて「週休3日」にできる制度を導入するとのこと。働く時間は変わらないので、賃金据え置きで「休日」を確保できます。同社ではすでに「ジョブ型雇用」の適用を全社員に広げるとしており、週休3日制により、従業員が時間に縛られず効率的な成果の出し方を自ら考え、会社としても生産性を上げられる体制作りを目指すそうです。
一方、NECは2018年に始めた「Smart Work」で、在宅勤務やスーパーフレックス制度、介護をする社員に限定に週休3日制を導入していましたが、そのバージョンアップ版として「Smart Work2.0」をスタート。週休3日制の対象範囲を、育児や能力開発などを目指す社員に広げ、多様な働き方が選びやすくなる仕組みを検討するとしています。
ご承知の通り、週休3日制は欧州の企業では、「生産性の向上につながる」として広まっていますので、「世界に追い付け!」「いい人材確保につながるぞ!」と改革を進めているのです。
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