“小麦粉ショック”で「米粉」に脚光 どんな風に使われているのか?:ウクライナ侵攻の影響(1/2 ページ)
ロシアおよびウクライナが主要原産国である小麦の価格高騰により、米粉に注目が集まっている。現在、米粉を取り巻く状況はどのようになっているのか。トップメーカーである波里の代表取締役社長に話をうかがった。
本記事は、FoodClip「米粉No.1の波里、問合せが前年比倍。価格の安定と用途拡大が要因」(2022年4月13日掲載)を、ITmedia ビジネスオンライン編集部で一部編集の上、転載したものです。
2021年からの原油価格の上昇や原料高、ロシアによるウクライナ侵攻によって昨今、食品原料の確保が難しくなっています。ロシアおよびウクライナが主要原産国である小麦。その代替として関心が高まっているのが「米粉」です。
国内生産のため、供給価格が安定しており、供給量も潤沢な注目の原料。実際にどのような反応があるのか、米粉のNo.1メーカー(※)である、波里 代表取締役社長の藤波孝幸氏にお話をうかがいました。
(※)日本経済新聞社が全国のスーパー、コンビニエンスストアなどから収集した2021年上期の販売実績データ(日経POS情報)
食品原料高騰をはじめ、健康意識の高まりからも米粉の需要が増化
──ウクライナショックの影響により、小麦や大麦の価格が高騰しています。ロシアとウクライナは世界有数の小麦生産国であり、供給が不安定になっていることから、小麦の代替として米粉への問い合わせは増えているのでしょうか。
藤波社長(以下、藤波): ここ数カ月で、米粉に関する当社へのお問い合わせ件数は、前年比で倍増しています。
今回のお問い合わせ増は、ロシア・ウクライナショックやそれ以前からの小麦粉高騰などが一因ですが、2008年に小麦価格が高騰した際も同様に、お問い合わせが増加しました。2020年以降は、新型コロナウイルスの世界的まん延によって海上運賃が高止まりし、小麦に限らず食品原料の価格が上昇しています。さらに円安が続いていることなど、さまざまな社会的要因から、国内生産の米粉への注目が高まっているのかと思います。
──食品原料の高騰の他にも、健康志向の高まりも要因でしょうか。
藤波: そうですね。小麦粉を使用しない”グルテンフリー”の食品も身近になりましたし、近年の健康志向の高まりも、米粉の需要増加を後押ししていると思います。
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