「高級食パンブーム終了はむしろ歓迎」 乃が美が、強気に“世界一”を目指す理由:今夏には「幻の食パン」も(5/5 ページ)
乃が美ホールディングスは「社運を賭けた取り組み」として、5月31日までの期間限定で、販売する食パンを創業時の素材配合で作る『復刻「生」食パン』に切り替える。その戦略を乃が美ホールディングスの小林祐人取締役営業本部長に聞いた。
都内で出店を加速する理由
乃が美は全国に店舗を展開しているものの、実は東京都内の店舗数はまだ多いとは言えない。総本店がある大阪府内に28店舗あるのに対し、東京都内では20店舗。人口比で考えればまだまだ出店の余地があるという。小林取締役は今後の出店計画を次のように明かす。
「国内では今後1年間で数十店舗の出店を考えています。現在が255店舗ですので、300店舗に届かないくらいでしょうか。東京都内の店舗はまだまだ少ないので、なるべく東京都内に力を入れて出店していきたいと考えています」
一方で、商品発表会では「世界一の食パン専門店」を目指すことも宣言した。ただ、海外での店舗の拡大は慎重に進めていくという。
「海外については3月に台湾に1店舗出店し、1年以内にあと2、3店舗は出店したいと思っていますが、明確な目標は立てていません。日本の食文化への関心は高いのでビジネスチャンスはあるものの、国内でのビジネスに比べると品質を担保する難易度が格段に高くなります。その点を慎重に検討して、仕組みを作りながら展開していきたいですね」
乃が美ではさらに、今夏に「幻の食パン」を発売することを明らかにしている。現時点では詳しい説明はなされていないが、今後も新たな取り組みを打ち出していく考えだ。
「高級食パンを食文化として定着させていくために、新しい取り組みは年間を通じて実行していきたいと考えています。幻の食パンはその一つですので、期待していただきたいです。
一方で、変えるべきでないものは、これからもしっかりと守り続けていきたい。この両方ができれば、お客さまにも支持していただけると思っています」
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