「モデル」に登録する女性がなぜ増えているのか 3つの理由がからみあう:週末に「へえ」な話(2/5 ページ)
「モデル」と聞くと、「華やかな世界」「憧れるけれど、遠い話」と思われる人も多いかもしれないが、“副業モデル”のような形で登録している人が増えている。その背景には、何があるのか。取材したところ、3つの理由がからみあっていて……。
「非接触」モデル
2つめは、自分に似合うか、似合わないかである。例えば、ECサイトで服を購入するとき、ポチれないときがある。なぜか。「この服は自分に似合っているのだろうか」と考えるからだ。サイズは合っているのか、質感はどうなのかなど、実際に購入して、商品が手元に届くまで分からない。というわけで、こうした悩みを抱えている人は、ポチれそうでポチれないのだ。
ここまで読んで、勘のスルドイ読者はこのように感じたかもしれない。「プロのモデルはスタイルがいいので、その写真を見ても、自分に似合うかどうか分からない。じゃあマネキンが着ている写真はどうかというと、魅力を感じない。というわけで、素人モデルのニーズが高まっていて、登録者が増えているのでは。ね、正解でしょ?」と。
ほぼ正解である。しかし、点数にすると「80点」。なぜ、100点でないかというと、カラフリーのビジネスモデルにある。モデル登録者数が増えている、3つめの理由が「非接触」である。
冒頭で紹介したように、同社はWeb上で企業とモデルを結ぶマッチングプラットフォームを運営している。モデルはプロフィールを作成して、企業は自社広告に合ったモデルを検索して、双方がうまくマッチングすれば成立である。この事業は順調に成長していたが、急ブレーキがかかってしまったのだ。その要因は、新型コロナである。
同社の筒井まこと社長に当時のことを振り返ってもらったところ、「モデルの仕事というのは、“接触”だらけなんですよね。撮影したり、イベントに出演したり、とにかくたくさんの人と会わなければいけません。しかし、コロナの感染拡大によって、人との接触が避けられるようになって、新規の案件が激減しました」とのこと。
これまで経験したことがない事態に遭遇したわけだが、社内からはこんな声が出ていた。「オンラインで完結できるような仕組みはつくれないか」と。そこで生まれたのが、「リモフォト」というサービスである。
繰り返しになるが、モデルの仕事は現場に足を運んで、人と接触しなければいけない。でないと仕事ができないわけだが、カラフリーはその接触を断ったわけである。リモフォトの場合、マッチングプラットフォームで成立すれば、企業は自社の商品をモデルの自宅などに送って、受け取ったモデルはその商品を身につけ“自撮り”する(または家族などに撮影してもらう)。撮影した写真を送って、問題がなければ「お疲れさま」という流れである。
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