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肌に吸い付くような“泡シャワー”を、なぜLIXILは開発したのかあの会社のこの商品(3/6 ページ)

シャワーは開けばお湯や水が出てくるだけだと思いがち。しかしLIXILは、新規事業の一環として、泡も出てくるシャワーを開発した。その泡も普通の泡ではなく、肌に吸い付くような泡。なぜ、このようなシャワーを開発したのか? 担当者に話を聞いた。

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美容で使いたい人をターゲットした初代の「KINUAMI」

 初代の「KINUAMI」開発に当たって、プロジェクトチームではターゲットと提供できる価値を検討。ターゲットの候補には子育て家庭、エンターテインメント、医療・介護、美容などがあったが、検討を重ねた結果、美容に決め、泡のシャワーを浴びることで全身のスキンケアができるという価値を提供することにした。美容に決めたのは、それぞれの業界の人たちに商品の印象や使用意向などをヒアリングしたところ、美容業界の人たちの反応が一番良かったためであった。

 シャワーヘッドから出てくる絹泡は、お湯に特別の配合をした専用のボディソープとたっぷりの空気を混ぜてつくられている。専用のボディソープを使うのは、市販のボディソープではキレイに高密度な泡が生成されないなど故障の原因になるためだ。発泡倍率は約11倍。発泡倍率は、放射された泡の滞留性、当たりの強さ、弾力性、伸びやすさの4項目をモニターに評価してもらった結果から決めた。


発泡倍率ごとの泡の違い

 専用のボディソープについて、平田氏は「当時のライバルは化粧品でした」と語る。シルク由来の保湿成分のほかに、高級化粧品に使われるボタニカル成分を多く配合した。価格が200ミリリットルパウチで1650円と、ボディソープにしては高値だ。

 シャワーヘッドも専用のモノを使用。別のモノに交換するのではなく、同梱されている専用のモノを使用することを求めている。その理由を平田氏は「穴の大きさや間隔によっては、泡が放射された瞬間にくっつき塊になってしまうため」と言う。

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