2015年7月27日以前の記事
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ドル円相場は円高に反発か? 為替を動かす要因を考える金融ディスラプション(2/3 ページ)

急速に円高が進んだドル円相場に反発の兆しが見えている。5月24日のドル円相場は上昇し、1ドル127円前後まで円高が進んだ。4月末から5月頭には、一時131円を超える水準まで円安が進行したが、一服感も出てきた。ではこの後のドル円相場をどう見るか。

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ドル円はオーバーシュートしている

 一方で、短期の為替を動かす材料は、往々にして行き過ぎる。下記は、市川氏が示した投機筋の通貨先物ポジションだ。円の売り越しは円安を呼び、円の買い越しは円高を呼ぶ。ところが現状は「円の売り越しを大きく超えて円安が進んでいる」(市川氏)。


投機筋のポジションと比較しても、現在の円安は行き過ぎている(三井住友DSアセットマネジメント資料より)

 為替を短期的に動かす要因として投機筋が挙げられることが多いが、現状の円安は別の要素もありそうだ。市川氏は、輸入企業が円安を見越して早めにドルを買ったり、円安期待で外貨を買った個人、さらにはFX取引も要因の1つではないかと見る。

 為替の中期要因も、これ以上の円安は示唆していない。一般に、貿易収支は為替の中期要因となる。ある国の貿易赤字は、獲得する外貨よりも支払う外貨のほうが多いことを意味し、差分は市場で外貨を買ってこなくてはならない。つまり自国通貨安、外貨高の要因となる。

 翻って米国は貿易赤字大国であり慢性的にドル安要因を抱えている。一方で、日本は資源高の影響で、21年度は2年ぶりの貿易赤字となった。このまま貿易赤字が定着すれば、こちらは円安の要因になるかっこうだ。

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