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企業が「黒海」に注目すべき3つの理由 地政学的重要性、ウクライナ戦争で表面化(4/7 ページ)
ロシアによるウクライナ侵攻で、海上ルートとしての「黒海」の地政学的重要性が注目を集めている。なぜ重要なのか、3つの視点からそれぞれ解説する。
軍事ルートとして重要な黒海
2つ目の理由が、黒海が世界的な軍事ルートでもあるという点だ。これをよく示しているのが、ロシアのクリミア半島侵攻(14年)だ。
クリミア半島を、ロシアが占拠した大きな理由の一つが軍事拠点としての重要性だ。クリミア半島には旧ソビエト連邦(ソ連)時代から続く、ロシア海軍の黒海艦隊の軍港があり、97年からウクライナから租借していた形となっていたセヴァストポリを直接支配下に置くため、ロシアは軍事侵攻に踏み切った。
つまり当時のロシアは、クリミア半島を奪取することによって、黒海における海の軍事的なルートの支配権を確保しようと試み、見事、それに成功している。
こうした力による現状変更に対抗しようと、米国主導の軍事同盟「北大西洋条約機構」(NATO)参加国たちは、ロシアから黒海の軍事ルートを守るため、今回の戦争ではウクライナを軍事的に支援している。
例えば、ウクライナ南部の黒海沿岸に、オチャキフというウクライナ海軍の軍港のすぐそばに米海軍の人員を常駐させ、両国海軍の共同作戦司令部を建設する計画や、同軍港を拡張し、米海軍の艦船が定期的に停泊できるようにする計画の他、アゾフ海のベルジャーンシク港の増強計画にも合意している。
だが、ウクライナ戦争開戦がささやかれ始めた時点で、すでにNATO側は黒海内の軍事バランスがロシア側にあることを認識していた。英ロイター通信は2月25日付けの記事で、開戦前からNATO加盟国側の主要艦船はすべて黒海を離れていたと報じている。
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