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スマホ専業の「みんなの銀行」1周年 100万DL突破で次の一手は?(2/2 ページ)

福岡の地銀グループ、ふくおかフィナンシャルグループ傘下の「みんなの銀行」が5月28日に、サービス開始一周年を迎えた。スマホ専業として、デジタルネイティブをターゲットとした結果はどうだったのか。

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ローンサービス夏に開始

 次の一手は、収益サービスの開発だ。まず今夏から開始するのが、いわゆるカードローンとなる「みんなの銀行Loan」だ。


リテール向け銀行サービスでは、住宅ローンとカードローンが貸付系の2大ビジネスだ

 スマホ完結で融資が完了し、追加の入力は年収情報だけ。審査時間は2〜3分だ。貸し付けられた資金をアプリ内で簡単に普通預金口座に移動できる。「ドラッグ&ドロップでお金が移る世界観を、ローンでも実現する」と永吉氏はUIUXに自信を見せる。

 当初は外部の信用情報を元に与信を行う伝統的なスタイルだが、行動データなどを使った与信判断にも意欲をみせる。第一歩としては、外部金融機関データを取り込む「Record」機能で得られた取引情報を活用する。

 「それだけではあくまで金融データなので、本当の意味では行動データではない。期待しているのはビジネスパートナーのデータ。(現ビジネスパートナーである)ピクシブ専用の与信モデルを作っていくとか、そういうことをやっていきたい」(永吉氏)

 もう1つの収益モデルである、銀行機能の他社提供、いわゆるバンキング・アズ・ア・サービスについても開発を加速する。現在API基盤を開発中で、夏をめどに参照系を提供、年度内に更新系を用意する計画だ。

メインバンクを目指せるか?

 ユーザー獲得という意味では順調なスタートを切ったみんなの銀行だが、最大のチャレンジは、メインバンクになり得るか? という点だろう。リテール向けの銀行サービスでは、給与の振込先でありクレジットカードや公共料金などの引き落としに使われる口座をメインバンクと呼ぶことが多い。

 サブ口座では、キャンペーンの状況やサービスのちょっとした差異でユーザーが資金を移動させやすいのに対し、メインバンクの口座は安定している。口座を切り替えるスイッチングコストが極めて高いからだ。

 みんなの銀行では「メインバンク化してもらうという戦略ではなく、サブバンクとしての機能性をどう高められるか。決済用、貯蓄用として使ってもらうことを目指す」と永吉氏は言う。

 とはいっても、メインバンクを諦めたわけではない。そもそもふくおかフィナンシャルグループの中で、デジタル化が進む中、10年後の銀行はどうあるべきかという議論の結果として生まれたのがみんなの銀行だ。デジタルネイティブ世代にとってのメインバンクを志向するのは自然な流れでもある。現在、10代から30代までが全口座の7割を占めており、ターゲットユーザーは狙い通り。あとは初めて銀行口座を開くユーザーに訴求できるかどうか。

 「学生、新社会人に対してはチャンスを感じている。Z世代向けのメイン化は進めていきたい」(永吉氏)

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