日本は「Web3」で勝てるのか 残念ながら「前途多難」:世界を読み解くニュース・サロン(4/6 ページ)
自民党が「岸田トークン」の配布で「Web3」に乗り出そうとしている。これまでインターネットなどで遅れてきた日本に、「Web3」で勝算はあるのだろうか。現時点で見えている課題は……。
「岸田トークン」とは一体何か
例えば、オンライン上で存在しているデジタルのアート作品を、ブロックチェーンでこの世に1つしかない作品と認証するようになるため、アートとしての商品価値が生まれている。そのアートを売買する際にも、唯一無二の本物であると証明し、ブロックチェーン技術が使われているので所有者の履歴など偽造はできない。
冒頭の岸田トークンも、自分だけしかもっていないトークンを入手できるというわけだ。
これからは、アートに限らずさまざまなNFTが価値を持つ時代になっていくと見られているが、このNFTが「Web3」のもう1つのキーワードであるDAO(分散型自立組織)につながる。DAOとは、GAFAMや政府などの中央組織がルールなどの意思決定をしたり、富を独占したりするのではなく、それを分散させてみんなで決めていきましょうというコンセプトだ。
例を挙げると、ある事業やプロジェクで、参加者を募り、その事業の進め方や内容にも口を出す権利が付与されたトークンをインターネット上で購入してもらう。その代わりに受け取れる会員証明のようなトークンが、冒頭の「岸田トークン」だったりするわけだ。
リターンで配当が得られることもあるだろう。そして参加者がみんなで事業を作って運営していく「分散型」の「自立組織」が生まれる。いろんな自立した「世界」が生まれていく可能性がある。
既にサービスやコミュニティーが発行するトークンは各方面で使われて始めている。その中でも筆者が注目しているのは、「ファン・トークン」と呼ばれるものだ。
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