使いやすさより可愛さ! 台湾で立体型の交通系ICカードが大ヒットするワケ:ヤクルトや森永キャラメルも(4/4 ページ)
改札機にかざすだけで列車に乗れ、店舗での買い物にも使える交通系ICカード。カードだから当然、フラットな形をしているが、お隣の台湾では少し事情が違う。フラットではなく、キャラクターなどをあしらった立体型のカードが主流だ。日本でいま話題のヤクルトや、森永のミルクキャラメルの箱を模したものなど、企業とコラボしたユニークなアイテムがそろう。いったい、なぜ作ったのか。そこには、日本企業にも参考になる、常識を覆すものづくりのアイデアと、確たる販売戦略があった。
悠遊カード、間もなく日本に上陸?
現在、悠遊カードを使用できる場所は台湾のみ。日本人も台湾訪問の際に、好きなタイプのカードを購入し、列車移動や買い物で使うことができる。
一方、近く、悠遊カードの日本展開に向けた計画も進んでいる。
琉球銀行(沖縄県那覇市)は20年2月、悠遊カードを発行するEasyCard社と提携を結んだ。地理的に近い沖縄には、台湾人観光客が多く訪れる。同行は、沖縄を含む日本の店舗で、台湾人が同カードを電子マネーとして使えるようにする加盟店業務を始める予定だ。
当初、20年7月からサービスを開始する予定だったが、コロナ禍で計画が一時中断。それから2年が経過し、日本を含む各国で渡航制限が緩和されている中、同行の担当者は「今年中にはサービスを開始できるだろう」と話す。
近いうちに、日本国内でもかわいらしい3Dタイプのカードをピタッとかざしながら買い物をする台湾人観光客の姿が見られるのかもしれない。
交通系ICカードといえば名刺大のフラットなタイプが当然――。そんな常識を覆す、台湾の遊び心にあふれた交通系ICカード。有用性以上のアピールポイントに着目したところが、大ヒットを生み出すきっかけとなった。日本企業にとっても大きな参考になりそうだ。
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