使いやすさより可愛さ! 台湾で立体型の交通系ICカードが大ヒットするワケ:ヤクルトや森永キャラメルも(3/4 ページ)
改札機にかざすだけで列車に乗れ、店舗での買い物にも使える交通系ICカード。カードだから当然、フラットな形をしているが、お隣の台湾では少し事情が違う。フラットではなく、キャラクターなどをあしらった立体型のカードが主流だ。日本でいま話題のヤクルトや、森永のミルクキャラメルの箱を模したものなど、企業とコラボしたユニークなアイテムがそろう。いったい、なぜ作ったのか。そこには、日本企業にも参考になる、常識を覆すものづくりのアイデアと、確たる販売戦略があった。
日本人にも馴染みのデザインがいっぱい
14年に発行を始めた3Dタイプの悠遊カード。最初に出したのは、サンリオの人気キャラクター「ハローキティ」を模したカードだ。それ以降も、アニメやゲームで人気の「ポケモン」に登場するアイテム「モンスターボール」を模したものや、アニメ「クレヨンしんちゃん」に登場する架空のヒーロー「アクション仮面」を模したタイプなど、私たち日本人にも馴染みのあるカードが多く出ている。
――日本人にも馴染みのあるキャラクターをあしらったタイプが多いのはなぜでしょうか
「台湾の人々は日本の文化にとても影響を受けており、常に日本のポップカルチャーを好んできました。日本は台湾人が最もよく訪れる国の1つです。予想通り、日本の文化にちなんだカードはとても人気があります」
そんな中、3Dタイプの悠遊カード史上、最も売れたのが20年6月に販売した「DUALSHOCK4悠遊カード」。ソニーの人気ゲーム機「PlayStation4」のコントローラー型のカードで、わずか3日で48万枚を売り切ったという。「この記録はソニー本社をも驚かせました」と周さんは振り返る。
今年は富士山を模し、「交通安全」「健康平安」などのおみくじが付いたタイプのカードも販売。こちらの売れ行きも好調だという。
――3Dタイプのカードのデザインを決める上でどのようなことを心がけていますか
「私たちのデザインチームは、常にポップカルチャーに注意を払い、社会や文化のトレンドに敏感にアンテナを張り、新製品を開発する準備をしています。こうした社員の感性が、市場を驚かせるほど多くの製品の開発につながってきました」
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