【独自】タニタの不健康な“お家騒動” 正反対の主張で争う、現社長と父・兄弟:パワハラの報告も(1/4 ページ)
体脂肪計などを製造・販売するタニタで、“お家騒動”が起きている。現社長の就任後、社長の父や兄弟が相次いで退職。筆者が詳細を取材すると、今もなお正反対の主張で争う現社長と父・兄弟の現状が浮かび上がってきた。
タニタは、1923年(大正12年)創業の大手計測器メーカーだ。もともとはOEMで金属加工を手掛けていたが、92年に世界初の「乗るだけで計測できる体脂肪計」と、94年に同じく世界初となる「家庭用体脂肪計付ヘルスメーター」を発売して以降、自社ブランドを確立した。現在は料理秤(はかり)、タイマー、活動量計、歩数計、医療施設向け体組成計・体脂肪計などを製造・販売している。
2010年に発売した社食レシピ本「体脂肪計タニタの社員食堂」が累計485万部超のベストセラーとなり、レストラン「タニタ食堂」が全国各地にオープンするなど、「健康づくり」をサポートする企業としてイメージが向上。12年には日本マーケティング協会選出「第4回日本マーケティング大賞」を受賞している。
現社長と、父・兄・弟の間でお家騒動
同社はグループ社員数約1200人、連結売上高192億円(21年3月期)の大企業だが、株式は非上場で、株の約8割を谷田家と関係者で分け合って保有するファミリー企業である。
社長は代々谷田家が継いでおり、現社長の谷田千里氏は先代社長谷田大輔氏の次男だ。
現在、社長の千里氏と、千里氏が社長に就任した後の3年間に立て続いて退社した父・大輔氏、兄・富士氏、弟・昭吾氏との間でお家騒動が起きている。21年10月には週刊文春の報道もあった本件について、今回筆者が独自の取材を実施した。すると、タニタ側(=現社長・千里氏)の主張と、トラブルにより退社した兄の富士氏や内部告発者の主張には今もなお大きな乖離(かいり)があることが判明した。
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