ソニーGの出井伸之元会長、肝不全で死去 「ソニーの成長と改革に大きく貢献」:政府のIT戦略会議の議長も歴任
ソニーグループ(ソニーG)は出井伸之(いでい・のぶゆき)元会長が肝不全で亡くなったと発表した。84歳だった。葬儀は既に親族のみで行ったが、同社は後日、「偲ぶ会」を開催する方針。
ソニーグループ(ソニーG)は6月7日、出井伸之(いでい・のぶゆき)元会長が肝不全で亡くなったと発表した。84歳だった。葬儀は既に親族のみで行ったが、同社は後日、「偲ぶ会」を開催する方針。
出井氏は1937年東京都生まれ。早稲田大学卒業後の60年にソニーに入社し、主に欧州での海外事業に従事。オーディオ事業部長やコンピュータ事業部長、ホームビデオ事業部長などを歴任し、95年に同社の第6代社長に就任した。98年にCEO(最高経営責任者)、2000年から05年まで会長兼CEOをそれぞれ務めた。
特に社長就任以来の10年間で、出井氏が注力したのが事業の多角化だ。「デジタル・ドリーム・キッズ」というキーワードを掲げ、同社のデジタル・ネットワーク事業やエンタテインメント事業など事業を拡大するとともにグローバル化も加速させた。
加えて、経営面での監督と執行を分離しようと出井氏主導で「執行役員制」の導入や「委員会等設置会社」にも移行したことから、同社は「グローバルなグループ経営体制の構築とコーポレートガバナンスの確立を推進し、ソニーの成長と改革に大きく貢献した」としている。
ソニーという日本屈指の巨大企業の経営トップを務める傍ら、00年には日本政府からの要請に応じて、IT戦略会議の議長に就任。日本全体のブロードバンド構想をリードし、日本のブロードバンドインターネット接続環境が世界に先駆けて整備されるきっかけを作った。経営トップからの退任後の06年9月には、ソニー時代の同僚らとクオンタムリープを設立。大企業変革支援やベンチャー企業の育成支援活動に従事していた。
同社は一時、厳しい経営状況に陥っていた時期もあったが、マイナビが発表した「就職人気企業ランキング」(23年卒対象)では、文系で2位、理系では1位に選ばれている。
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