移動スーパー「とくし丸」はなぜ“独走”しているのか 1000台突破の舞台裏:週末に「へえ」な話(5/5 ページ)
移動スーパー「とくし丸」の業績が好調である。クルマの稼働台数はぐんぐん伸びていて、売り上げも右肩上がり。「買い物難民をなんとかできないか」といったコンセプトでスタートしたこのビジネスは、なぜここ数年で伸びているのだろうか。同社の社長に話を聞いたところ……。
ある「数字」にびっくり
もう1つの新規参入についてだが、障壁はそれほど高くない。スーパーと契約を結んで、代行で販売すればよいだけ――。言葉にすると「オレにでもできそうだな」と感じられたかもしれないが、ここで「アナログ」の登場である。とくし丸がどのようにして、お客を獲得しているのか、ご存じだろうか。数名のスタッフが1カ月〜1カ月半ほどかけて、「買い物でお困りごとはないですか?」と声をかけて回っているのだ。
家のチャイムを鳴らして、8000軒ほど訪問する。いまの時代、知らない人の家のチャイムをピンポンするだけでも、ちょっとした勇気がいるのに、めまいがするほどの数を回っているのだ。これはなかなか真似することができない行動力である。
というわけで、ネットスーパーは日によって訪問件数が違うことと、配送料の問題がある。もう1つの新規参入については、知らない人の自宅を訪問して、お客を獲得していかなければいけない。その上で、4者の関係を円滑に進めることができれば、とくし丸を脅かすような競合がでてくるかもしれない。
最後に、取材時に「えーっ、マジっすか?」と思わず大声を出してしまった、数字を紹介する。とくし丸と契約を結んだけれども、「いまいちだよね」「売り上げが伸びないよね」といった理由で、縁が切れたスーパーは1社もないという(創業10年目にもかかわらず)。M&Aなどで会社の方針が変わってしまって、やむなく離れてしまったところはあるが、その他の理由はないそうだ。
とくとくと〜く、とくし丸〜♪ スーパーにとっては「得得得、得します♪」と聞こえているのかもしれない。
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