ニュース
Suicaはライバルではない? クレカタッチで電車乗車を交通事業者が進めるワケ(3/5 ページ)
三井住友カードやビザ・ワールドワイド・ジャパンらが進める、公共交通機関向けのクレジットカードのタッチ決済対応。5月31日には福岡市地下鉄が対応し、6月1日には長良川鉄道、7月15日からは西日本鉄道が対応するなど、次々とエリアを拡大している。
Suica導入より低コスト
インバウンドニーズへの対応とは別に、キャッシュレス対応をしたくてもできなかった交通事業者にとってのメリットがある。コスト面だ。用途や規模によっても異なるため、具体的な金額は明らかになっていないが、Suicaなど交通系ICを導入するのに比べてコストを抑えられる。
データの送受信は携帯回線を通じて行うので、インフラ整備もそれほど重くはない。自動改札機も、切符を回収する機構自体がコストであり、可動部は特にコストが掛かる。その点で、タッチ決済のみの場合はメンテナンスコストを含めて削減が期待できる。券売機の削減でコスト低下も見込める。
導入コストの問題に関しては、例えば京都丹後鉄道は決済端末を電車内に設置。有人改札のある駅には窓口に決済端末を置くなどしていたが、路線内に無人駅があるため、車内で決済が行えるようにした。長良川鉄道も同様のやり方をしているようだ。
関連記事
- 交通系に乗り出すVisaのタッチ決済 Suicaへの優位性は?
タッチ決済を積極的に推進するVisaが、公共交通機関の決済にも乗り出した。7月29日に、茨城交通が運行する勝田・東海−東京線の高速バスで、タッチ決済の取り扱いを開始した。 - 知られざるVisaのタッチ決済王国、石川県珠洲市 普及のワケ
Visaが普及に力を入れるタッチ決済。この2年間で対応カード枚数は5倍の5100万枚に、コンビニでの決済取引件数は36倍に増加した。そんな中、「Visaのタッチ決済の人口当たりの件数が日本で最も多い」というのが、北陸地方に位置する石川県珠洲市だ。 - Visaカードで地下鉄に乗れる自動改札登場 福岡で実証実験
Visaのクレジットカードで地下鉄に乗車できる実証実験が、5月31日から福岡市地下鉄で行われる。交通系ICとVisaのタッチ決済の両方に対応した一体型改札機の利用は、国内で初めて。 - 「Visa のタッチ決済」で運賃支払い 実証実験の対象路線を拡大
三井住友カード、ビザ・ワールドワイド・ジャパン、QUADRAC、小田原機器は11月22日、横浜市交通局、横浜銀行と共同実験中の「Visa のタッチ決済」を利用した運賃収受実証実験において、12月1日より対象路線を拡大すると発表した。 - クレカで電車に乗れる 南海電鉄の改札でVisaのタッチ決済の実証実験
ビザ・ワールドワイド・ジャパン、南海電気鉄道、三井住友カード、QUADRACの4社は、2021年春から南海電鉄の一部の駅で、Visaのタッチ決済とQRコードによる入出場の実証実験を行うと発表した。改札にVisaのタッチ決済機能を備えたクレジットカードなどをかざすことで、通過と運賃精算を行える。駅の改札で、Visaのタッチ決済による入出場を可能にするのは国内初。 - 西日本鉄道、Visaタッチ決済による実証実験開始へ
西日本鉄道、三井住友カード、QUADRAC、ビザ・ワールドワイド・ジャパンは7月15日より、西日本鉄道の電車においてVisaのタッチ決済による改札機通過に関する実証実験を開始する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.