トップ営業が必ず聞く「3つの質問」 6カ月間で成果ゼロの営業社員が真似した結果は?:ユーザベースの事例(4/4 ページ)
「売れる営業」とはどういう営業を指すのか? ユーザベースでマーケティングプラットフォーム「FORCAS」のセールスを統括する田口拓也氏は「6カ月間で成果ゼロ」の新人営業を育成する中で、トップ営業が商談で必ず聞く「3つの質問」に気付いた。
想定される2つの課題
商談の可視化によって、ブラックボックス化は防げた。しかし、営業マニュアルなどは未整備。まだまだ新人営業にとって開かれた組織とはいえない。そこで22年1月に「セールスイネーブルメントディビジョン」を発足。FORCASを売っていくための知識とデジタルマーケの基礎知識のインプットなどを6カ月かけて行う。
もう一つの課題について、田口氏は「これは自分自身の課題ともいえるかもしれませんが」と前置きをしながら話す。
「チームリーダーのイネーブルメントも必要だと感じます。商談のポイントはある程度明確になりましたが、プロダクトも変わるし、お客さんの環境も変わっていきます。それにフィットする商談を模索し、正しい理解をチーム内で持つことが重要です」(田口氏)
現状、チームリーダーという役職を置いてはいるものの、まだまだプレイヤー要素が強い。チームのメンバーが活躍できるようなコーチングの技術、そしてコーチングできる範囲の拡大が今後の課題になってくるという。
先述したメンバーが成果を出せるようになるまで、田口氏は3カ月ほどマンツーマンで面倒を見ていた。一人が教えられる数には限界がある。同時並行で教育できるリーダーを増やしていくことで、組織として営業メンバーを受け入れられる基盤を構築していく。
ユーザベースが発表した、22年12月期第1四半期の決算資料によると、FORCAS含むSaaS事業の売上高はおおむね右肩上がりで推移している。今期のFORCASのARRは18.3億円で前年同期比43%増となった。同社は今後もFORCASを含むSaaS事業への投資を強化していく方針を示しており、会社の成長の柱としてFORCASが位置付けられているのが分かる。
「セールスイネーブルメントに取り組んでいる段階なので、まだまだこれからです」と取材時に話していた田口氏、FORCASの成長はその双肩にかかっている。
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