トップ営業が必ず聞く「3つの質問」 6カ月間で成果ゼロの営業社員が真似した結果は?:ユーザベースの事例(3/4 ページ)
「売れる営業」とはどういう営業を指すのか? ユーザベースでマーケティングプラットフォーム「FORCAS」のセールスを統括する田口拓也氏は「6カ月間で成果ゼロ」の新人営業を育成する中で、トップ営業が商談で必ず聞く「3つの質問」に気付いた。
ハイパフォーマーが聞いていた3つの質問
営業動画収集の簡略化と商談内容の分析という目的でサービスを導入。商談動画を共有する手間を省くという狙い以上に大きな成果が得られた。新人営業とハイパフォーマーの動画を比較することで、新人営業が成果を出せなかった理由が「数字」「発言」の観点から明確になっていたのだ。
「成果を出せていない営業メンバーはハイパフォーマーと比較して、FORCAS自体の話や機能面の話を10分ほど多く話していました」(田口氏)
商談とは成約を獲得するための場だ。このプロダクトを活用することでお客さんの業務上の課題をどう解決できるのか、実現したい未来にどうつながるのか、将来の理想像を語り、導入のイメージを持ってもらうことが不可欠となる。
機能面の話に焦点が置かれると、「この機能もほしい」「あの機能はないのか」と小さい話にまとまってしまう。導入イメージを持ってもらうことも難しく、「まあ、プロダクト自体はそれなりにいいんですけどね」といった提案先からのあいまいな返答に打つ手をなくし、閉口することになる。
「ストレートに質問する力も必要です。プロダクトの説明をしたあと、3つの質問で相手の位置を確認できるかが成約の可能性を大きく変えます」(田口氏)
その質問とは、「率直なところ、いいと思いましたか?」「具体的にどこがいいと思いましたか?」「費用をかけてでも導入したい気持ちはありますか?」の3つだ。回りくどい質問や枕詞を多用した話し方などは相手に遠慮させてしまう。そうは言っても、「お金を出してもいいと思いますか?」なんて面と向かって聞くのはかなり勇気がいる。失礼にあたるのではないかと考える人もいるだろう。
「はっきり聞くことは営業のマナーだと思っています。より良い提案をするために、良くないのであれば何が良くないのか、その点が分かれば前進できます。相手の『まあ良かったよ』という回答を鵜呑みに進めてしまうと、向こうも断りにくい。しっかりと合意形成できていない商談から成約につながったケースはほとんどありません」(田口氏)
全ての商談が可視化されたことで、新人営業がハイパフォーマーの商談から話し方や使う言葉などを盗めるようになった。質問力を高め、合意を取りに行くことで成果が芳しくなかった新人営業も22年1月から成果が出始めてきた。
採用計画については非公開とのことだったが、営業社員の採用に力を入れていくという。その際に起こりうる課題については、2つ懸念していることがあるという。
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