ピクシブ、トランスジェンダー社員へのセクハラ報道で謝罪 「被害者への心情理解や対応が不十分だった」:公式声明発表
イラスト・小説投稿サービス「pixiv」を運営するピクシブのトランスジェンダーの社員が男性上司からセクハラ行為を受けたとする問題を巡り、ピクシブが公式声明を発表した。同社は「被害者への心情理解や対応が不十分だった」としている。
イラスト・小説投稿サービス「pixiv」を運営するピクシブは6月16日、トランスジェンダーの社員が男性上司からセクハラ行為を受けた問題を巡り、公式声明を発表した。「被害者への心情理解や対応が不十分だった」と謝罪している。同社は5月30日に事実関係を認める声明を出していたが、今後の対応方針については「訴状が届いていない」として、言及していなかった。
同社はセクハラ被害を受けた社員に対し、謝罪した上で「ハラスメントに関して企業としてあるべきいくつかの防止策を講じていた」と釈明。だが、今回の事態を受けて「被害者に対する心情理解や対応が不十分だった。本件に対して真摯に向き合い、誠意をもって対応をしてまいりたい」とコメントした。
「多様性への本質的意味での理解が不足」
事実関係の確認に加えて、社内で原因究明に向けた防止策を検討したことも明らかにした。「社としてハラスメント行為は絶対に許されない行為」とした上で、社内外で議論した結果、「性的マイノリティの方をはじめとした多様性を組織として理解・受容し活かすことを意味する『ダイバーシティ&インクルージョン』の概念についての本質的な意味での理解不足が重大な要因であった」との結論に至ったという。
「これまで弊社では、LGBT研修の実施、パートナーシップ制度の導入、多目的トイレの利用マナーについての周知などの対応を行っていたが、今にして考えれば、知識だけの理解と対応にとどまり、本質的な意味での理解と対応が足りず、その結果、声を上げづらい、安心して働くことができない、といった状況を作り出してしまった」(ピクシブ)
今後は外部専門家を招き、多様性への理解推進やマニュアル作成などで、再発防止に努める方針。同社は「失った信頼は簡単に取り戻せるものではないが、性の多様性を含む様々な多様性があることを前提にした組織づくりと、皆さまに信頼していただける会社を目指して、長い時間をかけて全力で取り組んでいく」としている。
この問題は、法律専門のニュースサイト「弁護士ドットコムニュース」が5月27日に報じた記事が発端。記事では30代のトランスジェンダー社員が男性上司からセクハラを受けたとして、慰謝料約555万円を求め、東京地方裁判所に提訴すると報じていた。
これを受け、ピクシブは5月30日に、男性上司によるセクハラ行為の事実関係を認め、加害者の社員を、降格・減給の処分とともに、被害者への接近禁止などを命じたと発表していた。
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