2015年7月27日以前の記事
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“スーツ姿の客”がネットカフェに急増 カギは「PCなし席」と「レシートの工夫」(3/4 ページ)

コロナ禍で夜間の利用者が激減し、インターネットカフェ業界は大きな打撃を受けた。そんな中、トップシェアを誇る「快活CLUB」では、昼にテレワーク利用客を取り込むことに成功、売り上げを復調させた。そのカギは「PCなし席」と「レシートの工夫」にあるという。どういうことかというと……。

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「遊んできたのか」といわれてしまう

 さらに、「会社で清算をしづらい」という声もあった。リモートワークにかかった費用をレシートで経費精算する企業の場合、お客自身が仕事に適した場所として快活CLUBを気に入っていても「レシートを見た上司に『遊んできたのか』といわれてしまい、清算がしづらい」と。これにより、なかなか利用につながらない──という新しい課題が顕在化した。

 この課題を解決できる策はないか。検討を進めていたころ、親会社であるAOKIホールディングス内で新しい取り組みとして「AOKI WORK SPACE」というシェアオフィス専門店をオープンしていた。「この屋号を使えないか」と考え、法律上の確認をしたところ問題ないことが分かった。

 そのため、今年2月からレシートを発行する際に屋号を“快活CLUB”から“AOKI WORK SPACE”に変更できるようにした。会計に自動精算機を導入している店舗では、ボタン一つ選択すれば、屋号を変えられる。


自動精算機、赤坂見附店

AOKI WORK SPACE名義のレシート(画像は快活フロンティア提供)

 経費精算に悩む利用者の課題を解消し、また一つ便利になった快活CLUBだが、中川さんはこの取り組みに対し、複雑な思いも抱えているという。

 「AOKI WORK SPACEの名前を使わないと精算がしにくいというのは、われわれの責任の問題だと捉えています。今回、暫定的な処置として、需要は満たせたと思います。しかし抜本的には、快活CLUBのそういう(仕事に適さない)イメージを変えていかないと、ご不便は変わらないと思います。ブランディングとして『仕事もできるところだよね』と思ってもらえるよう、業態の幅を広げていかなくてはいけないと思っています」

ユニクロやワークマンに続け! 「仕事もできる」快活CLUBに

 中川さんは、ブランディングの成功事例としてユニクロやワークマンの躍進を挙げる。

 10年ほど前は、「ユニバレ」と言われることもあり、ユニクロ製品は多くの人にとって「着ていることを隠したい、バレたくない」ものだった。しかし、現在はそうしたイメージは払拭(ふっしょく)されている。

 「例えば、特に就活などではユニクロのスーツを着ていたら『本当にそれで自信を持てるのか、大丈夫なのか』と考える人が多かった。ですが、今はそう考える人がほとんどいなくなりました」(中川さん)

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