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アップルはどこへ向かう? 成熟した市場の中で、“王者の道”を探る本田雅一の時事想々(5/5 ページ)

近年のアップルについて「世の中を刷新しようとしていない」「つまらなくなった」などの論調で嘆く声を耳にする。成熟した市場の中で、アップルは今後の成長軸をどこに見据えているのだろうか?

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 そうした中でアップルが次世代CarPlayを訴求し始めたことは興味深い。


次世代CarPlay

 次世代CarPlayは、センターコンソールに配置されたディスプレイ上でiPhoneのアプリを動かすだけにとどまらず、メータークラスタを含むありとあらゆるインフォメーション、ドライバーとのインターフェイスがCarPlayを通じて取れるようになる。

 一般論から言えば、部分的には安全性にも関わるような情報表示までを、自動車メーカーが外部メーカーにまで開放するとは思えない。

 しかしアップルは次世代CarPlayについて、あくまでも「レンタカーを含めあらゆる車のユーザーインターフェイスや情報表示の枠組みを統一し、個人の好みに合わせてカスタマイズ可能にすること」が目的だと話している。つまり「自動車内部のシステムには干渉しませんよ」というメッセージだ。

 iPhoneをより便利に使ってもらいたいだけならば、確かにそのメッセージにも納得だが、果たしてそれだけで終わろうと思っているのかどうかは分からない。

 例えばアップル製品でもApple TVは、テレビ本体を作ることなくユーザーとのインタラクションとコンテンツの流れだけを引き寄せようとする製品で、アップル自身は決してディスプレイ部分には手を出そうとしていない。

 果たして、どこまで彼らはユーザーの生活の中でより大きな存在となっていくことができるのか。これからの数年はそのトライアルが続いていくだろう。

著者紹介:本田雅一

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ジャーナリスト、コラムニスト。

スマホ、PC、EVなどテック製品、情報セキュリテイと密接に絡む社会問題やネット社会のトレンドを分析、コラムを執筆するネット/デジタルトレンド分析家。ネットやテックデバイスの普及を背景にした、現代のさまざまな社会問題やトレンドについて、テクノロジー、ビジネス、コンシューマなど多様な視点から森羅万象さまざまなジャンルを分析・執筆。

50歳にして体脂肪率40%オーバーから15%まで落としたまま維持を続ける健康ダイエット成功者でもある。ワタナベエンターテインメント所属。


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