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アップルはどこへ向かう? 成熟した市場の中で、“王者の道”を探る:本田雅一の時事想々(4/5 ページ)
近年のアップルについて「世の中を刷新しようとしていない」「つまらなくなった」などの論調で嘆く声を耳にする。成熟した市場の中で、アップルは今後の成長軸をどこに見据えているのだろうか?
どこまで事業領域を広げられるか
ではアップルにとっての「今後のテーマ」はなんだろうか?
Macはそもそも、アップルにとっての祖業である。iPadはiPhoneの拡張と見なすことができるし、iPad ProはそのiPadをMacの領域に近づけていった製品だった。近年の売り上げを高めてきたサービス事業も、確かに収益性を高めてはいるが本業というわけではない。
一つのヒントは、Apple Watchの成功にある。Apple WatchはiPhoneの周辺デバイスとしてスタートしたが、少しずつ独立性を高め、生活の質や健康をサポートするためのデバイスとして定着してきた。
iPhoneという強固かつ、自社でコントロールできるプラットフォームと連携しているため、複雑になりがちなこうしたデバイスをシンプルに見せることに成功している。
そして近年の健康的な生活のサポート、転倒や緊急時の連絡といった命に関わる場面での助けなど、こちらも半導体やセンサー、それら情報の信号処理までを統合した技術で差をつけていく。
つまり今後のアップルにとって、「そうした強みをどの事業領域にまで広げられるか」がテーマとなってくる。
VRやARは以前からうわさされ続けている領域だが、まだ十分に成熟したジャンルとは言い難い。おそらく強みを発揮できるだろうが、アップル自身が最終製品として発売するまでにはまだ時間がかかるのではないだろうか。
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