【独自】くら寿司元店長が語る労働環境 「休みは取れず、上司は壁をたたきながら……」(2/7 ページ)
くら寿司にアルバイトとして入社し、その後社員として店長まで勤め上げた元社員にインタビューを実施した。当時の働き方を聞くと、違法性が疑われる労働環境が明らかになった。くら寿司で何が起きているのか?
くら寿司元店長へのインタビュー
──社風や社員さんの雰囲気はどのようなものでしたか?
大きな声で返事やあいさつを励行する、典型的な体育会系気質の組織でした。トップダウンが徹底していて、上からの命令は絶対、という感じです。とにかく忙しくて、上司もいわゆる体育会系が多かったので、体も心もかなり鍛えられました。
──実際には、どの程度忙しいものなのでしょうか?
基本的にシフト制なので日や店舗によって違いはありますが、平日は午前9時〜午後3時まで、その後2時間空いて午後5時〜ラストの午前0時まで。土日祝は午前11時〜ラストの午前0時または1時まで。
繁忙期(年末年始・GW・お盆など)は午前8時30分〜午後11時や、ひどいときは開店から閉店後夜中まで、ということもあります。
アルバイト時代は、ひたすら商品を仕分け・作成するため、配置や商品の作成手順を覚えるのが大変でした。休憩を取れる時間が遅くなったり、そもそも休憩を取れなかったり、トイレに行きたくても言いにくかったりしました。
新入社員の頃は毎月1回大阪に行って、「くら塾」という研修を受けないといけませんでした。店長になってからは、従業員さんの管理・売上や人件費などの幾つもの経費の管理に苦労しました。また、忙しい中で店長会議にも参加しなくてはいけないのも大変でした。
──アルバイト、新入社員、店長と経験された中で、立場ごとの違いはありましたか?
入社後、店長になるまでの一般社員の間であればシフト制で残業もしっかり管理されていて、想像していたよりも楽でした。しかし店長として管理する側になると急にキツくなる。管理監督者として裁量権を渡され、自分のシフトも残業も自分で管理することになるのですが、よほど忙しい店舗でない限り1店舗あたりの社員は店長だけか、いてももう1人くらいなので、結局店にいないといけなくなるんです。
──管理監督者として、裁量と合わせて相応の報酬もあればいいですが……。
長時間労働でオーバーワークの割には、給料は安いです。ボーナスがない立場もあるので、トータル的に満足度は低かったですね。年齢関係なく完全実力主義なので、確かに、頑張れば給与は上がる。ただその分勤務時間も長く、店長以上になるとみなし残業になるので残業代はほぼなくなります。退職金もないですし。
厳密には、店長以上にはボーナスがあるのですが、期末の営業利益目標達成で給与1カ月分程度の報奨金が出るくらい。残業は45時間を超えないように、と指示がありますが、最終的に超えそうになると勤怠を打たずに業務継続することになります。残業をつけないと、部下の一般社員より給料が低くなることもありました。
スーパーバイザー(SV)以上の役職になると年収も高くなりますが、これまで見てきた例からすると、かなりの体育会系か、本当に仕事が好きか、社畜になりきらないとなれません。
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