副業先選びのポイントは2つ メリット・デメリットを解説:その一歩を踏み出す(3/4 ページ)
働き方改革などの影響で、副業を前向きに考えている人もいるのでは。副業をすることのメリットは? デメリットは? さまざまな視点で解説する。
個人が副業をするデメリット
ここまでは個人が副業をするメリットについて述べてきたが、当然ながらデメリットもある。それは、本業に支障をきたす可能性があるということだ。1日は24時間という不変の事実に加え、自分のリソースにも限りがあることを忘れてはならない。
副業の仕事には、本業の時間外のリソースを充てることになる。多くは、本業終業後の夜間や休日を利用して作業することになるだろう。それは心身ともに大きな負担となり、体調を崩す原因となるかもしれない。また、タスク管理調整ができずに、結果として本業に支障が生じることも考えられる。
自己管理能力やタイムマネジメント能力を実践的に身につけられる良い機会だと前向きにとらえることもできるが、副業には、このようなトラブルのリスクをはらんでいることを心得ておく必要がある。
副業先選びのポイント
では、このようなリスクを踏まえ、副業先はどのような基準で選ぶべきなのだろうか。そのヒントとして、2つのポイントを提示したい。
(1)本業との相乗効果が見込めるもの
1つ目は、その副業によって、本業に相乗作用がもたらされるかどうかを基準にするケースだ。例えば、私は本業では広報として活動しているが、副業として大学講師をしている。副業での学生とのコミュニケーションから、就活のトレンドや、学生の行動・思考傾向などが分かる。そこで得た感覚は、本業での広報活動や人事領域に生かされている。このような良い相互作用は、本業・副業のどちらのモチベーションにもつながる。
(2)趣味として楽しめるもの
2つ目は、それ自体がシンプルに楽しいと感じられることに絞るケースだ。収入のためだけに、あまり興味のないことを副業にしてしまうと、それ自体が苦痛になって長くは続かないものだ。せっかく始めるなら、趣味の延長のように楽しめることに時間と労力を注ぎ込むほうが、結果として成功しやすいというのが私の考えだ。
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