スワロフスキーは客単価5倍に! 「ライブコマース」導入で売り上げがアップした理由:離脱を防ぐ(3/5 ページ)
ECサイトとライブ配信を組み合わせ、配信者と視聴者がコミュニケーションを取れる販売手法「ライブコマース」。近年じわじわと成功事例が増えつつあるようだ。結果を出している2社を取材したところ……。
インフルエンサー×継続配信で売り上げ10倍に
インフルエンサーの起用と継続的な配信によって、徐々に視聴者数を伸ばし、3カ月で10倍の売り上げを達成した事例もある。地域の特産品を扱うある地方自治体では、SNSのフォロワーが少なく、そもそもライブ配信を視聴してくれるファンが付いてなかった。
そこで、フォロワー数5000人ほどの地域密着型の女性インフルエンサーをキャスティングし、地方自治体の担当者と2人で、毎月4回(1日2回×月2回)のライブ配信を実施した。ニッチな地域の情報を盛り込み、視聴者のコメントを拾う双方向のコミュニケーションを意識した内容で、毎回効果を検証しながら改善を重ねた。
すると、3カ月目に初回のライブ配信と比較して、売り上げが10倍にアップした。視聴者の母数が少なくとも、親和性の高いゲストを起用しPDCAを回していくことで、効果が出たようだ。
「この事例では、弊社が課題設定や効果検証についてアドバイスをさせていただきました。動画内のコメントや『いいね』が多かった場面、配信時間による視聴者数の変化などを分析し、じわじわとファンを拡大することで、売り上げにつながったのだと思います」(鎌田氏)
ライコマのように、不特定多数に向け演出を盛り込んで配信する場合、特に相性がいいのは「食品」や「アパレル」業界で、導入事例や成功事例が多いという。食べる瞬間を見せられて、その感想も伝えられる。着用しながらサイズ感や色味、質感を伝えられるといった点がメリットだ。
ライブコマースの場合、どうしても「売る」ことにフォーカスされがちだが、鎌田氏は「売り上げではなく、アプローチしたいユーザーの課題解決を目的にすべきだ」という。
「自社、またはユーザーが抱えている課題を掘り下げ、ライブコマースを通じてその課題にアプローチできていることが、成功事例の共通項だと思います」(鎌田氏)
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