なぜ女子の半分が泳いでないの? ジェンダーレス水着の開発者が語った“忘れられない光景”:本当に届けたい人たち(3/4 ページ)
フットマークのジェンダーレス水着が話題になっている。性の悩みだけでなく、さまざまな理由で「肌を隠したい」生徒のニーズに対応するのが狙い。開発者にその背景を聞いた。
パンツ部分の工夫
一般的なスクール水着は、水の抵抗を減らして泳ぎやすくするために、肌にぴったりと貼りつくものが多い。一方、新型水着のパンツには織物素材を使っており、生地が肌にまとわりつきにくいようにしている。これは、股の部分の形やヒップラインが見えにくくするための工夫だ。
また、新型水着は表面にはっ水加工をしており、水にぬれても肌に貼りつきにくくなっている。これは、「泳ぎやすい」「動きやすい」「吸水しても重くなりにくい」という機能性を付与するためだ。
パンツの内側はインナーパンツ付きで、安心感を与える狙いがあり、男女どちらも履きやすいようになっている。水着の股マチには裏地がついている。これは、女子に対応している仕様だ。
パンツの左右には水中で膨らみにくいように、抜け穴が付いている。
見過ごされていた男子の悩み
このような水着を開発した背景には、「体型が目立たないようにしたい」という生徒のニーズや、制服のジェンダーレス化などがある。
「体型が目立たないようにしたい」「肌を見せたくない」というニーズが、女子だけでなく男子にもあると同社が強く認識したのは、7年前に実施した「スーパー中学生ものづくりプロジェクト」だという。
同プロジェクトは、スクール水着を中学生と共同で開発するものだった。ある男子中学生は、プロジェクトの初期に長袖とフルレングスのパンツを提案した。足首まで隠れそうなデザインだったという。
佐野氏はこのプロジェクトに直接関与していなかったが、「やせすぎている」「太っている」「腹筋が割れてない」など、思春期の男子にもいろいろなコンプレックスがあることが分かったという。声に出していなかっただけで、本人たちは我慢していたのだった。
関連記事
- レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。 - スシローとくら寿司 「価格帯」と「シャリ」から見えた戦略の“決定的”な違いとは
大手回転寿司チェーンのスシローとくら寿司。標準的な寿司の重さはほぼ一緒。しかし、価格とシャリの違いから戦略の違いが見えてきた。 - 290円ラーメンに250円定食 びっくりドンキー、幸楽苑、なか卯で進む「朝食革命」の正体
朝食に力を入れる外食チェーンや飲食店の動きが目立ってきた。ハンバーグ専門店「びっくりドンキー」、タピオカや台湾料理の専門店「春水堂」などが参入している。どのような戦略を打ち出しているのか。 - 「高級食パン」ブームは本当に終了したのか? “大量閉店”騒動が隠した本当の姿
「高級食パンのブームが去った」という報道が目立つ。SNSでは“大量閉店”の情報が飛び交う。最新の「高級食パン勢力図」から見えてきたものとは? - 「買うのが恥ずかしい」けど売れている ドンキ、6種類の新型ボクサーパンツ開発の背景
ドン・キホーテが3月に発売したボクサーパンツが好調だ。男性特有の細かい悩みや不安に対応するのが目的。全6種類を開発した背景は?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.