コロナ保険が感染拡大で“実質破たん”……行政処分の事例から考えたい「ミニ保険不要論」:古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(1/3 ページ)
保険とテクノロジーを掛け合わせた「インシュアテック」を推進するjustInCaseが、6月27日付で業務改善命令を受けることとなった。一部では「ミニ保険不要論」なども噴出している状況だ。では、ミニ保険不要論とはどのようなものか。一般的な保険と合わせて検討していきたい。
保険とテクノロジーを掛け合わせた「インシュアテック」を推進するjustInCaseが、6月27日付で業務改善命令を受けることとなった。
同社は2020年5月から、新型コロナ感染時に10万円の一時金を支払う「コロナ助け合い保険(シンプル医療保険)」をリリースしていた。しかし、予想を超える感染拡大状況となった結果、保険金の支払い予測が嵩んだことで、今年の4月6日から保険金額を10分の1に減額する旨を公表したのである。
コロナ助け合い保険は、月々510円の保険料から利用ができる、いわゆる「ミニ保険」と呼ばれるカテゴリだ。保険金が10万円であるとすると、加入者が平均で16.3年に1回コロナに感染するペースで受取保険料と支払保険金の額がトントンとなる計算だ。しかし保険金を10分の1に減額するということは、加入者がコロナに感染する確率が実際には大幅に高かった。平均して1.6年に1回程度になるとトントンになるという大幅な予測のズレがあったことになる。
このように、未知の病のように統計的な検証が不十分な保険商品について、状況の激変に伴い保険金が減額されるというものがある。また、ミニ保険は一般的に保険金額も貯蓄で十分に賄えるレベルのものであるため、一部では「ミニ保険不要論」なども噴出している状況だ。
では、ミニ保険不要論とはどのようなものか。一般的な保険と合わせて検討していきたい。
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