「それって人生ゲームみたいなやつ?」 まだまだ知られていない「アナログゲーム」の世界:実態はよく分からない(4/5 ページ)
アナログゲームが話題になっていることをご存じでしょうか。「ん? 人生ゲームが盛り上がっているの?」と思われたかもしれませんが、本稿で紹介したいのは“いま話題になっている”ゲームのこと。どんなゲームが注目されているのかというと……。
そもそも市場規模ってどのぐらいあるの?
このようにアナログゲームのことを紹介すると、読者の中には「市場のことをちょっと調べてみようかな」と思われたかもしれません。メディアで報道される機会がじわじわ増えてきているので、「簡単に分かるよね」と感じられたかもしれませんが、実態はよく分かっていません。
冒頭で紹介した矢野経済研究所の白書や、日本玩具協会が調査した市場規模の値には、ここで紹介した“いわゆるイマドキな”アナログゲームのほかに、将棋、囲碁、トランプといった伝統的なボードゲームやキャラクターグッズとして売れているモノも多く含まれています。
アナログゲームの専門店やブロガーなどの声を集めてみると(伝統的商品やキャラクター商品を除く)、アナログゲームの国内市場規模は「40億〜60億円ほど」といった意見が多い。しかし、この数字は、販売店の非公式な売り上げであったり、個人の主観的な伝聞であったりするので、市場規模をビジネスとして把握したい客観的な数字として扱うのは難しいと言わざるを得ないでしょう。
アナログゲームに携わる人たちは、よくこんなことを言っています。「日本のアナログゲーム市場には、伸びしろがある!」と。なぜ、このようなことが言えるのでしょうか。欧米市場と比べると、「まだまだ」だから。例えば、ドイツと比べると、市場規模は10分の1ほど。人口規模は日本よりやや少ないものの、国民性が似ていることから、ドイツに近い市場まで成長できるのではないかといった声もあるのです。
売り上げ規模とは別に、ユーザー規模の推移を示す指標として「ゲームマーケット」の参加者数があります。公式Webサイトに公開されている数字を見ると、2000年の第1回からコロナ前の19年まで、ほぼ毎回10ポイント以上のペースで増えていました。
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