「それって人生ゲームみたいなやつ?」 まだまだ知られていない「アナログゲーム」の世界:実態はよく分からない(5/5 ページ)
アナログゲームが話題になっていることをご存じでしょうか。「ん? 人生ゲームが盛り上がっているの?」と思われたかもしれませんが、本稿で紹介したいのは“いま話題になっている”ゲームのこと。どんなゲームが注目されているのかというと……。
新規参入の動き
ゲームマーケットは、新しいトレンドを生み出すプロモーションの場としても機能しています。市場に参入しようとしている開発者の中には、新作を訴求したり、プロモーションの機会として位置付けていたり、体験会を実施したり。さまざまな手を打つことで、知名度を上げようとしています。
最近の成功事例として、「まじかる☆ベーカリー」シリーズを製作している「MAGI」が挙げられます。ゲームマーケット開催に合わせて、SNSで告知したり、冊子版カタログでページ広告掲載したり、訴求効果の高いエリアブースで出展したり、体験イベントを主催したり、積極的なプロモーションを展開することでアナログゲームブランドを短期間で確立しました。
このような活動はSNSで拡散され、その動きを知ったメディアが報じることによって、多くの人は「おおっ、アナログゲームってなんか盛り上がっているね!」と感じているのです。結果、市場規模の実態はよく分からないけれど、アナログゲームの世界に参入する動きが高まっている、というのが“いまいまの話”です
デジタルゲームと比べて、アナログゲームは小規模なリソース(予算や人員)で作品をつくることができます(デジタルゲーム=アニメーション、アナログゲーム=漫画に置き換えると分かりやすいかもしれません)。それだけに新規参入のハードルは低く、新しいゲームを生み出す余地がまだまだ残されているのです。
これまで紹介してきたように、いま個人でアナログゲームの世界に参入してビジネスを拡大していくケースが増えています。もちろん、企業としても興味深い局面ともいえるでしょう(それこそ“かつての”デジタルゲームのように日本発世界規模で)。海外市場参入目指す日本のゲームデザイナーを支援する「ヤポンブランド」プロジェクトも立ち上がっています。世界に打って出たい野望を持っていれば、アイデアひとつで挑戦できる絶好のタイミングといえるかもしれません。
関連記事
- 削らなくても16キロ書ける! 「芯まで金属のペン」開発秘話を聞いた
ちょっと気になる商品が登場する。芯が金属でできているのに、文字を書いたり、消したりすることができるペンだ。その名は「metacil(メタシル)」。発売前にもかかわらず、ネット上で話題になっているが、どのような特徴があるのか。開発者に聞いてきた。 - えっ、1泊100万円の部屋が好調なの? 「稼働率が70%を超えた」衝撃
盛岡駅からクルマで1時間ほどのところにできた、高級ホテルが話題になっている。ホテル名は「ANAインターコンチネンタル安比高原リゾート」。2月にオープンしたところ、1泊100万円もする部屋が人気を集めているのだ。その理由を取材したところ……。 - なぜ「時速5キロの乗り物」をつくったのか 動かしてみて、分かってきたこと
時速5キロで走行する乗り物「iino(イイノ)」をご存じだろうか。関西電力100%子会社の「ゲキダンイイノ」が開発したところ、全国各地を「のろのろ」と動いているのだ。2月、神戸市の三宮で実証実験を行ったところ、どんなことが分かってきたのだろうか。 - CDが苦戦しているのに、なぜ曲を取り込む「ラクレコ」は売れているのか
CD市場が苦戦している。売り上げが減少しているわけだが、CDをスマホに取り込むアイテムが登場し、人気を集めている。商品名は「ラクレコ」(バッファロー)。なぜ売れているのか調べたところ、3つの要因があって……。 - トイレの個室に「使用時間」を表示 で、どうなったのか?
首都圏のオフィスで、ある「実証実験」が行われた。トイレの個室に「他の個室の使用状況」と「滞在時間」を表示したところ、どういった効果があったのだろうか。システム開発を手掛けているバカン社の河野社長に話を聞いたところ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.