「ビッグカツ」や「岩下の新生姜」をギターの音で表現したら大当たり どんな音?:100台売れれば大ヒット(4/4 ページ)
LEP INTERNATIONAL(岩手県花巻市)が発売する「スグル食品のビッグカツディストーション」が、ギタリストを中心に注目を集めている。スグル食品(広島県呉市)とコラボし、駄菓子の「ビッグカツ」を音で表現した商品という。なぜコラボした?
“非東京”の企業がタッグを組んだ意義
岩手と広島という“非東京”の企業がタッグを組んだコラボ。
LEP INTERNATIONALの川村社長は地方に拠点を置くことに「何のデメリットも無い」と言い切ると共に、花巻市の環境について「自然が多い方が仕事をする上でも気持ちが楽ですよね」「東京など大都市で会社を展開しなくても、ミュージシャンはライブのツアーで地方にもどんどん来てくれます」と、むしろそのメリットを語る。
実際にエフェクターを買う人々は、楽器店で試奏するだけでなく、近年では企業やYouTuberが上げる動画でそのサウンドや使い勝手などを確認して、ネット通販を利用することも多い。日ごろから頻繁に買う物ではないため、より多くの選択肢から絞り込んで購入するという意味では、情報収集のしやすいネットとの親和性も高く、地方で展開しやすい分野なのかもしれない。
けれども実は、川村社長にはこんな思いがあった。「やっぱり地元が好きですし、こういうド田舎で最先端的なものを作って東京の人に買ってもらっているっていう、そういうことがちょっと痛快だったりとか……」結局行きつく先は、地元への愛とプライドだ。
同じ岩手の企業同士でコラボしたあんバターコッペドライブの売り上げの一部は、東日本大震災で親を亡くした子どもたちを支援する「いわて学び希望基金」へと継続的に寄付をしている。岩手から世界へ。周囲の人々と手をつなぎながら、LEP INTERNATIONALの挑戦は続く。
著者プロフィール
長濱良起(ながはま よしき)
フリーランス記者。元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、沖縄県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。同年から個人事務所「XY SUDIO」代表。記者・ライター業の傍ら、フリーのTVディレクターや音楽制作業でも活動する。1986年、沖縄県浦添市出身。
著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(東洋企画工房)がある。
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