投票すると「ラーメン替え玉1杯無料!」 “選挙割”を実施する企業はなぜ増えたのか?:全国約50社・2500店舗以上が参加(1/6 ページ)
7月10日投開票の参議院選挙に向けて、「選挙割」という活動に参加する企業・店舗が増えている。選挙割の仕掛け人で、主催団体の選挙割協会の佐藤章太郎代表理事に、活動開始の経緯や企業が参加する狙いなどを聞いた。
「ドリンク1杯無料」「ラーメン替え玉1杯無料」「ブラックサンダー1個プレゼント」......これらは「選挙割」とよばれるサービスの一例だ。条件はシンプル。それは7月10日投開票の参議院選挙で投票する。ただそれだけだ。投票後、各選挙管理委員会(選管)が希望者に発行する「投票済み証明書」などを参加企業の店舗で提示することで、各店舗が有権者に各種サービスを提供する。
若年層の投票率向上などを目的に、2012年の活動開始から参加企業数が徐々に増え、今回の参院選では、有名飲食チェーンを含む、過去最多の全国約50社・計2500店舗以上が選挙割に参加している。選挙割の仕掛け人で、主催団体の選挙割協会(東京都世田谷区)の佐藤章太郎代表理事に、活動開始の経緯や企業が参加する狙いなどを聞いた。
仕掛け人は現役予備校講師 CSR活動として「従業員の主権者教育に」
選挙割の公式Webサイトに掲載中の参加企業をみると、家電量販店を運営するノジマ(神奈川県横浜市)、ワタミ(東京都大田区)が手掛ける「焼肉の和民」、力の源ホールディングス(福岡市)が運営する「一風堂」など有名店の名が並ぶ。フードデリバリー「Uber Eats」(ウーバーイーツ)の運営元ウーバージャパンといった、外資系企業も参加している。
活動の傍ら、普段は都内の大手予備校で小論文講師として勤務する佐藤代表(49)は、こうした企業が参加する理由について「CSR(企業の社会的責任)活動やIR(投資家向け広報)を意識するためだ」と指摘する。利益追求とは異なる形の、社会貢献活動の一環として参加しているというわけだ。
選挙割への参加企業の中には、若年層のアルバイト従業員が店舗業務の主力を担っている企業もある。若者の選挙離れが叫ばれて久しい中、佐藤代表は「従業員の主権者教育にもつながっている」と話す。企業に参加してもらうことで、従業員の政治参加の機会創出や投票行動の促進にもつなげている。
独自ルール策定 参加企業の政治的発言は制限
ただ、過去には選挙の立候補者が関係する企業や、特定の政党を支持する企業が、佐藤代表の選挙割を模倣し、投票後の割引きサービスを実施していたことが判明。佐藤代表の団体は全く関与していなかったものの、選管とトラブルになった。
再発防止のため、「選挙割」を商標登録するとともに、弁護士とともに独自ルールを策定。参加企業・店舗の政治的な発言や行動を制限するなど、公職選挙法(公選法)に抵触しないよう活動を行っている。
関連記事
- ソニーの「着るエアコン」“バカ売れ” 猛暑追い風に「想定以上で推移」
連日の猛暑が続く中、ソニーグループ(ソニーG)が4月に発売した、充電式の冷温デバイス「REON POCKET 3」(レオンポケット3)の売れ行きが好調だ。同製品は「着るエアコン」とも呼ばれており、ビジネスパーソンを中心に売り上げを伸ばしている。 - テレビ朝日、家庭の電力使用量グラフから「テレビ」削除で物議 「丁寧さに欠けていた」
テレビ朝日が家庭の電力使用量に関するグラフを加工して番組で紹介したとして物議を呼んでいる。Twitterで拡散されている画像によると、番組ではグラフから「テレビ・DVD」の使用分(8.2%)をカットして放送していた。Twitterでは「捏造だ」「悪質すぎる」などの声が挙がっている。 - 連日の猛暑、売れ筋の暑さ対策グッズは? ロフトに聞いた
猛暑が続く中、暑さ対策グッズに注目が集まっている。生活雑貨専門店「LOFT」(ロフト)を展開するロフト(東京都渋谷区)に売れ筋商品と、販売動向の変化について聞いた。 - ダイキンが推奨するエアコンの風向きは? 節電のコツは「温度ムラの抑制」
猛暑が続き、政府が企業などに節電を要請する中、ダイキン工業が「電気代を抑えながら 快適に過ごすエアコンの上手な使い方」と称し、エアコンの節電方法をPRしている。 - 野村総研、「テレビ消せばエアコンの1.7倍の節電効果」レポートに注意喚起 「11年前とは家電の性能が異なる」
野村総合研究所(野村総研)が11年前にまとめた「テレビ消せばエアコンの1.7倍の節電効果」と記載したレポート内容がTwitterで注目を集めている。これに対し野村総研は「当時と今では家電の性能が異なる。参考程度にとどめてほしい」と注意を呼び掛けている。 - 充電不要のネッククーラー「ひえリング」登場 28度未満で自然凍結、90分間涼しさ持続
スリーアールは、充電不要で繰り返し使えるネッククーラー「ひえリング」の予約販売を開始した。電力不足が懸念される中、通勤時のビジネスパーソンらの利用を見込む。 - 「車載バッテリーに蓄電して」 経産省、EVユーザーに呼び掛け 補助金は継続方針
経済産業省は東京電力管内に発出していた「電力需給ひっ迫注意報」を解除した。だが、今後も電力需給が逼迫(ひっぱく)する可能性があるとして、同省はEVを所有する企業や個人ユーザーに対し、車載バッテリーへの蓄電を呼び掛けている。 - 屋外でのマスク着用は「不要」 厚労省、熱中症リスクで注意喚起
厚生労働省は熱中症のリスクが高まるとして、近距離での会話時を除き、屋外でのマスク着用を控えるよう注意喚起を出した。コロナ禍以降、新型コロナの感染防止策として政府はマスク着用を推奨していたものの、今回の方針でビジネスパーソンは徒歩や自転車での通勤時や、営業先への移動中などでマスクの着用が不要となる。 - 宝島社の書籍『年収200万円で豊かに暮らす』が物議 Twitterで「暮らせるわけない」などの声 「年収200万円」の国民構成比は?
宝島社が出版した『年収200万円で豊かに暮らす』(759円)という書籍がTwitter上で物議を呼んでいる。6月20日ごろから書籍名の一部を引用した「年収200万」がTwitterのトレンド入りを果たし「色々と地獄を感じた、これを見た時」などの意見が挙がっている。 - 憧れの腕時計ブランド人気ランキング 3位「カルティエ」、2位「オメガ」、1位は?
アンケートサイト「ボイスノート」を運営するNEXERが、「憧れの腕時計ブランド人気ランキング」調査を実施した。 - PC版Webブラウザの世界シェアランキング 3位「Safari」、2位「Edge」、“圧倒的王者”のシェア率は?
米マイクロソフトが1995年から提供していた「Internet Explorer」のサポートを終了したことで「Webブラウザ」に注目が集まっている。Web解析サイト「StatCounter」でPC版Webブラウザの世界シェア(5月末時点)を確認してみた。 - Webブラウザの世界シェアランキング 3位「Edge」、2位「Safari」、“圧倒的王者”のシェア率は?
Web解析サイト「StatCounter」の情報から、Webブラウザの世界シェアと日本国内におけるシェアを改めて確認してみた。 - 「Internet Explorer」サポート終了に自治体「なんで急に」報道 Twitterで「さすがに草」などの声
米マイクロソフトが「Internet Explorer」のサポートを終了したことに関連して、TBSの取材内容が話題となっている。 - 「Internet Explorer」の次は「Windows 10」に要注意? マイクロソフトが心配する次の危機
米マイクロソフト(MS)がWebブラウザ「Internet Explorer」のサポートを終了した。サポート終了間近の製品の状況をまとめた。 - 就活戦線に異状あり──10年前の人気企業がTOP10から“消滅”した理由
マイナビの2013年卒と23卒の就職人気企業ランキングを比較したことで分かったこととは?
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.